PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第71問

運動学第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第71問(運動学)の正答は 3 です。距骨滑車は前方が後方より幅広いため、背屈すると滑車の広い部分が果間に入り込み、腓骨が外側へ押し広げられて(わずかな外旋・上方移動を伴い)果間距離が拡大する。

問題
足について正しいのはどれか。
  1. 1. 距腿関節の運動軸は膝軸に対して内捻5〜15°である。
  2. 2. 舟状骨は外側縦アーチを構成している。
  3. 3. 背屈運動により果間距離は拡大する。
  4. 4. Lisfranc関節では内外旋が生じる。
  5. 5. Böhler角は40〜50°である。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 背屈運動により果間距離は拡大する。

距骨滑車は前方が後方より幅広いため、背屈すると滑車の広い部分が果間に入り込み、腓骨が外側へ押し広げられて(わずかな外旋・上方移動を伴い)果間距離が拡大する。この骨性の適合により背屈位が距腿関節の閉鎖位(最大安定位)となる。


【各選択肢の解説】

1. 距腿関節の運動軸は膝軸に対して内捻5〜15°である。
❌ 誤り。距腿関節の運動軸は内果よりやや高い外果を結ぶ線で、膝関節軸に対して外捻(外旋)約20〜30°である。この捻れがあるため背屈に外がえし、底屈に内がえしが伴う。
2. 舟状骨は外側縦アーチを構成している。
❌ 誤り。舟状骨は内側縦アーチ(踵骨―距骨―舟状骨―楔状骨―第1〜3中足骨)の要となる骨。外側縦アーチは踵骨―立方骨―第4・5中足骨で構成される。
3. 背屈運動により果間距離は拡大する。
✅ 正しい。距骨滑車前方が幅広いことによる。逆に底屈位では果間の遊びが増して不安定になり、内反捻挫(前距腓靱帯損傷)が起こりやすい。
4. Lisfranc関節では内外旋が生じる。
❌ 誤り。Lisfranc関節(足根中足関節)は平面関節で、生じるのはわずかな底屈・背屈の滑りが中心。内外旋(回旋)が生じるのはChopart関節(横足根関節)や距骨下関節。
5. Böhler角は40〜50°である。
❌ 誤り。Böhler角(踵骨結節上縁―後距骨関節面―前方突起を結ぶ角)の正常値は20〜40°。踵骨骨折で減少(陥没)するため、側面X線での評価指標になる。

【試験対策ポイント】

項目正常値・要点
距腿関節軸膝軸に対し外捻20〜30°
距骨下関節軸水平面から約42°、矢状面から約16°
Böhler角20〜40°(踵骨骨折で減少)
内側縦アーチ踵骨―距骨―舟状骨―楔状骨―第1〜3中足骨
外側縦アーチ踵骨―立方骨―第4・5中足骨
足関節ROM背屈20°・底屈45°
  • 背屈=安定(閉鎖位)/底屈=不安定は足関節捻挫の受傷機転(底屈内がえし)と直結する重要事項。
  • 内側縦アーチを支えるのは後脛骨筋・長母指屈筋・足底腱膜・バネ靱帯(底側踵舟靱帯)。後脛骨筋機能不全は成人期扁平足の主因となる。
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