PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第76問

病理学概論第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第76問(病理学概論)の正答は 5 です。肝臓はコレステロール・アルブミン・凝固因子の合成、ビリルビンの処理、アンモニアの解毒をすべて担う臓器です。

問題
肝臓の機能不全によって起こる病態でないのはどれか。
  1. 1. 黄疸
  2. 2. 腹水
  3. 3. 出血傾向
  4. 4. 意識障害
  5. 5. 高コレステロール血症

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 高コレステロール血症

肝臓はコレステロール・アルブミン・凝固因子の合成、ビリルビンの処理、アンモニアの解毒をすべて担う臓器です。したがって肝機能不全では合成能が落ちるため、コレステロールは「上昇」ではなく低下します。1〜4はいずれも肝不全の代表的病態であり、5だけが逆向きなので正答です。


【各選択肢の解説】

1. 黄疸
✅ 正しい。肝細胞のビリルビン抱合・排泄能が低下し、血中ビリルビンが上昇して皮膚・眼球結膜が黄染します。肝不全の最も典型的な徴候です。
2. 腹水
✅ 正しい。アルブミン合成低下による膠質浸透圧の低下と、門脈圧亢進が重なって腹腔内に体液が貯留します。
3. 出血傾向
✅ 正しい。肝臓で作られる凝固因子(II・VII・IX・X など)が減少し、PT延長・INR上昇をきたして出血しやすくなります。
4. 意識障害
✅ 正しい。アンモニアなどの解毒が破綻して肝性脳症を生じ、羽ばたき振戦から昏睡まで段階的な意識障害が出現します。
5. 高コレステロール血症
❌ 誤り。コレステロールは肝臓で合成されるため、肝不全では低コレステロール血症になります。高コレステロール血症は肝不全ではなく、閉塞性黄疸・ネフローゼ症候群・甲状腺機能低下症などで問題になります。

【試験対策ポイント】

肝不全は「合成できない・解毒できない・排泄できない」の3本柱で覚えると、選択肢を機械的にさばけます。

破綻する機能検査値の動き臨床症状
合成能アルブミン↓・コレステロール↓・PT延長腹水・浮腫・出血傾向
解毒能血中アンモニア↑肝性脳症・羽ばたき振戦
排泄能総ビリルビン↑黄疸・皮膚掻痒

「↓するもの(アルブミン・コレステロール・凝固因子・BUN)」と「↑するもの(ビリルビン・アンモニア・AST/ALT)」を対にして暗記すること。PTとしては肝性脳症時の転倒リスク、腹水による横隔膜挙上での呼吸苦、出血傾向下での過度なストレッチや徒手療法の禁忌に注意します。

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