PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第49回 理学療法士国家試験 午後 第92問

内科学・臨床医学第49回午後

第49回 理学療法士国家試験 午後 第92問(内科学・臨床医学)の正答は 3 です。腸重積は腸管が隣接する腸管内へ入り込む病態で、生後3か月〜2歳の乳幼児、とくに回盲部(回腸が結腸内へ)に好発します。

問題
腸重積の特徴はどれか。
  1. 1. 高齢者に多い。
  2. 2. 左側結腸に多い。
  3. 3. 腸雑音は亢進する。
  4. 4. 腸管の血流は保たれる。
  5. 5. 鼠径ヘルニアの嵌頓で起こる。

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 腸雑音は亢進する。

腸重積は腸管が隣接する腸管内へ入り込む病態で、生後3か月〜2歳の乳幼児、とくに回盲部(回腸が結腸内へ)に好発します。機械的腸閉塞をきたすため、閉塞部より口側の腸管が過剰に蠕動して腸雑音は亢進し、金属音を聴取します。


【各選択肢の解説】

1. 高齢者に多い。
❌ 誤り。好発は生後3か月〜2歳の乳幼児で、男児にやや多いとされます。成人例は腫瘍やポリープを先進部とする二次性が多く、まれです。
2. 左側結腸に多い。
❌ 誤り。最も多いのは回腸が盲腸・上行結腸へ入り込む回腸結腸型で、右側(回盲部)が主座です。腹部触診では右上腹部にソーセージ様腫瘤を触れます。
3. 腸雑音は亢進する。
✅ 正しい。機械的イレウスでは閉塞を乗り越えようと蠕動が亢進し、腸雑音の亢進・金属音(metallic sound)が聴かれます。逆に麻痺性イレウスや腸管壊死が進むと腸雑音は減弱・消失します。
4. 腸管の血流は保たれる。
❌ 誤り。重積した腸管とともに腸間膜も引き込まれるため静脈還流が阻害され、うっ血・虚血をきたします。粘液と血液が混じったイチゴゼリー状の粘血便が典型症状で、放置すれば壊死・穿孔に至る緊急疾患です。
5. 鼠径ヘルニアの嵌頓で起こる。
❌ 誤り。鼠径ヘルニア嵌頓は腸管がヘルニア嚢内で締めつけられる別の病態で、腸重積の原因ではありません。腸重積の多くは特発性(ウイルス感染に伴う腸管リンパ組織の腫大が誘因)です。

【試験対策ポイント】

腸重積の三徴=間欠的腹痛(不機嫌・啼泣を繰り返す)・嘔吐・血便(イチゴゼリー状)。診断は腹部超音波のtarget sign(標的像)、治療はまず高圧浣腸(注腸整復)、整復できなければ手術です。

イレウスの分類も整理を。

分類腸雑音代表的原因
機械的(単純性)亢進・金属音術後癒着・腫瘍・糞塊
機械的(複雑性=絞扼性)初期亢進→減弱、強い持続痛腸重積・ヘルニア嵌頓・腸捻転
機能的(麻痺性)減弱・消失開腹術後・腹膜炎・脊髄損傷・薬剤性

PTとしては、術後や脊髄損傷患者で腹部膨満・腸雑音消失・嘔吐が見られたら離床を進める前に医師へ報告することが実践的なポイントです。

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