STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第100問

小児聴覚障害第15回
弱視になった聾(ろう)者に対して接近手話(弱視手話)を使用する場合、適切でない組み合せはどれか。 a.話者との距離 ― 近いほど良い。 b.表情 ― 大きいほど良い。 c.口唇の動き ― 大きいほど良い。 d.手指の位置 ― 見やすい場所で行う。 e.手の動き ― 大きく動かす。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e 弱視になった聾者への接近手話(弱視手話)では、視野が狭くなっているため、距離が近すぎると逆に全体を見渡せず、手指位置の追従が困難になります。また手の動きを大きくしすぎると、視野外に出てしまい見落としが増加します。適切な距離と適切な動きの大きさのバランスが重要です。 --- 【各選択肢の解説】 a. 話者との距離―近いほど良い ❌ 誤り。視野が著しく制限されている弱視では、無制限に近づくと逆に全体把握ができません。聾者が見やすい「適切な距離」が存在し、個人差があります。むしろ「見やすい距離を保つ」が正解です。 b. 表情―大きいほど良い ✅ 正しい。表情は感情や強調を伝える重要な情報であり、大きく表現することで視野が制限された聾者にも情報が届きやすくなります。 c. 口唇の動き―大きいほど良い ✅ 正しい。弱視聾者の中には残存視力で口唇読話を併用する者もいます。口の動きを明確にすることで補足情報が増加します。 d. 手指の位置―見やすい場所で行う ✅ 正しい。視野制限がある場合、手指位置を聾者の視野内(通常は顔の正面や上部)に保つことが必須です。 e. 手の動き―大きく動かす ❌ 誤り。視野が狭い弱視では、手の動きが大きすぎると視野外に逃げてしまい、追従不可能になります。むしろ「視野内に収まる適切な大きさの動き」が必要です。 --- 【試験対策ポイント】 接近手話(弱視手話)の原則 | 要素 | 対応 | 理由 | |---|---|---| | 距離 | 「適切な距離」を保つ | 近すぎると視野内に収まらない | | 表情 | 大きく・明確に | 感情・文脈の重要な手がかり | | 口唇 | 明確に動かす | 残存視力での補足読話に有効 | | 手指位置 | 視野内に限定 | 見落とし防止 | | 手の動き | 適切な大きさ | 大きすぎると視野外に | 頻出の落とし穴:「弱視だから全て大きく」という単純な対応は誤り。距離と動きの大きさは相互に調整が必要です。
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