STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第99問

聴覚系第15回
リング6音の蝸牛内の受容について正しい組み合せはどれか。 a.eee[i] ― 基底回転から中回転 b.shh[ʃ] ― 基底回転 c.ooo[u] ― 基底回転 d.mmm[m] ― 基底回転 e.ahh[a] ― 頂回転 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — a,b 蝸牛内での周波数特異性に基づいて、音声音がどの部位で受容されるかを判定する問題です。蝸牛は「基底回転で高周波数、頂回転で低周波数」を受容する周波数機械(frequency analyzer)であり、音声音の主要なホルマント周波数がどこに対応するかが重要です。 --- 【各選択肢の解説】 a. eee[i] — 基底回転から中回転 ✅ 正しい。[i]は高いF1(250Hz)と特に高いF2(2500Hz)を持つため、高周波成分の多くが基底回転で受容されます。F1の低周波成分が中回転にも関わります。 b. shh[ʃ] — 基底回転 ✅ 正しい。[ʃ]は摩擦音で、4000〜8000Hzの極めて高い周波数帯域に主要なエネルギーを持つため、基底回転で受容されます。 c. ooo[u] — 基底回転 ❌ 誤り。[u]は低いF1(300Hz以下)と低いF2(600Hz前後)を持つ後舌高母音であり、低周波数が主体のため「頂回転」で受容されます。基底回転ではありません。 d. mmm[m] — 基底回転 ❌ 誤り。[m]は鼻音で、低周波成分が支配的(基本周波数と低いホルマント)であるため「頂回転」で受容されます。基底回転での受容は不適切です。 e. ahh[a] — 頂回転 ❌ 誤り。[a]は中舌低母音で、F1が600Hz程度、F2が1200Hz程度と「中程度の周波数」を持つため、中回転で受容されます。頂回転(低周波)ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 蝸牛の周波数配列: | 回転部位 | 周波数範囲 | 対応する音声音の例 | |---|---|---| | 頂回転(Apex) | 低周波(20〜200Hz) | [m][u][o] | | 中回転(Middle) | 中周波(200〜2000Hz) | [a][ɔ] | | 基底回転(Base) | 高周波(2000Hz以上) | [i][ʃ][s] | 音声音の主要周波数判定ポイント: - 摩擦音[ʃ][s]:常に高周波→基底回転 - 高母音[i]:高いF2を持つ→高周波→基底回転から中回転 - 低母音[a]:中程度周波数→中回転 - 後舌母音[u][o]:低周波→頂回転 - 鼻音[m]:低周波成分優位→頂回転 頻出誤答パターン: 「口蓋音の[ʃ]が中回転」「後舌音の[u]が基底回転」という逆転的な推論に注意。周波数特性が形態学的位置より優先されることを意識すること。
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