第15回 言語聴覚士国家試験 第106問
内科学第15回
誤っているのはどれか。
- 1.慢性肝炎はA型肝炎が慢性化したものが多い。 ✓
- 2.輸血後肝炎はC型肝炎が多い。
- 3.慢性肝炎の治療にはインターフェロンが使用される。
- 4.肝硬変は肝性脳症の原因となる。
- 5.胆石と胆嚢炎は合併することが多い。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 慢性肝炎はA型肝炎が慢性化したものが多い。
A型肝炎は急性肝炎のみで、慢性化しません。慢性肝炎の主な原因はC型肝炎(HCV)とB型肝炎(HBV)です。輸血後肝炎の大半がC型肝炎であることとも一貫しています。
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【各選択肢の解説】
1. 慢性肝炎はA型肝炎が慢性化したものが多い。
❌ 誤り。A型肝炎ウイルス(HAV)は急性肝炎のみを起こし、慢性化することはありません。慢性肝炎の原因はC型肝炎(HCV)およびB型肝炎(HBV)が大部分で、これら2つで全体の約95%を占めます。A型肝炎は予後良好で自然治癒します。
2. 輸血後肝炎はC型肝炎が多い。
✅ 正しい。輸血後肝炎の約90%はC型肝炎です。これは供血者スクリーニング導入前の事実で、現在は供血者のC型肝炎抗体検査により発生率は激減しています。この事実から慢性肝炎の主要原因もC型であることが推測できます。
3. 慢性肝炎の治療にはインターフェロンが使用される。
✅ 正しい。インターフェロン(IFN)はC型慢性肝炎の標準治療の一つです。また近年はダイレクトアクティングアンタゴニスト(DAA)も使用されており、より高い治癒率を達成しています。B型肝炎にも用いられます。
4. 肝硬変は肝性脳症の原因となる。
✅ 正しい。肝硬変により肝機能が著しく低下し、肝実質の萎縮、門脈圧亢進、血液分流が生じた場合、アンモニアなどの神経毒性物質が脳に到達して肝性脳症が発症します。肝硬変は肝性脳症の最重要原因です。
5. 胆石と胆嚢炎は合併することが多い。
✅ 正しい。胆石症患者の約10~20%が急性胆嚢炎を合併します。胆石による胆嚢管閉塞が急性胆嚢炎の主要メカニズムです。胆石と胆嚢炎は密接な関係にあり、臨床的に高頻度で合併します。
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【試験対策ポイント】
ウイルス性肝炎の分類と慢性化
| 肝炎の型 | 慢性化 | 主な感染経路 | 予防ワクチン |
|---|---|---|---|
| A型 | しない(急性のみ) | 経口(便-口) | あり |
| B型 | する(5-10%) | 血液・性的接触 | あり |
| C型 | する(約70-80%) | 血液(輸血が主) | なし(現在) |
| D型 | B型合併時のみ可能 | 血液・性的接触 | B型ワクチンで予防 |
| E型 | 通常しない | 経口 | あり |
紛らわしい知識:「輸血後肝炎=C型」は頻出問題です。
A型肝炎が選択肢に含まれたら「必ず誤りの可能性を疑う」(慢性化しない知識)