STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第107問

小児科学第15回
注意して経過をみていく必要のある熱性痙攣患者はどれか。 a.痙攣が1分間の全身強直間代痙攣であった。 b.痙攣を起こしたときの体温が40°Cであった。 c.母親に熱性痙攣の既往があった。 d.兄に無熱性の痙攣の既往があった。 e.発達の遅れがみられる。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d,e 熱性痙攣は多くの場合予後良好ですが、注意深い経過観察が必要な患者を同定することが臨床的に重要です。正答のd(兄に無熱性痙攣の既往)とe(発達の遅れ)は、神経学的基盤の異常や遺伝的リスクを示唆する赤信号であり、後に真性てんかんへ進展する可能性が高まります。 --- 【各選択肢の解説】 a. 痙攣が1分間の全身強直間代痙攣であった ❌ 誤り。熱性痙攣の一般的特性です。単純型熱性痙攣の定義は「15分以内の全身強直間代痙攣」であり、1分間の痙攣は典型的で、特に注視を要する所見ではありません。むしろ15分以上続く複雑型熱性痙攣の方がリスク因子となります。 b. 痙攣を起こしたときの体温が40°Cであった ❌ 誤り。熱性痙攣の発症に体温の高さそのものは予後規定因子ではありません。むしろ熱上昇速度が痙攣発症に関連しますが、個別の37.5°Cと40°Cの差で予後は変わりません。体温が理由で注視対象になることはありません。 d. 兄に無熱性の痙攣の既往があった ✅ 正しい。一親等以内に無熱性痙攣(真性てんかん)の既往がある患者は、潜在的な神経学的脆弱性を持つ可能性が高く、後に熱性痙攣が真性てんかんへ転帰するリスクが高まります。遺伝的素因を示唆する重要な赤信号です。 c. 母親に熱性痙攣の既往があった ❌ 誤り。一親等以内の熱性痙攣既往は「遺伝性リスク」を示しますが、これは「熱性痙攣が再発する可能性」を意味し、熱性痙攣自体の予後が悪いことを意味しません。熱性痙攣は一般的に予後良好であり、熱性痙攣家族歴は注視理由にはなりません。 e. 発達の遅れがみられる ✅ 正しい。発達遅滞は脳機能障害の存在を示唆し、熱性痙攣が真性てんかんの表現型である可能性、または基礎となる脳神経学的異常(脳奇形・脳性麻痺など)の存在を示唆します。このような患者は長期的な神経学的経過観察が不可欠です。 --- 【試験対策ポイント】 熱性痙攣の予後判定フローチャート | リスク要因 | 単純型 | 複雑型 | 要注視度 | |---|---|---|---| | 痙攣時間 | 15分以内 | 15分以上 | 複雑型がリスク | | 痙攣形式 | 全身強直間代 | 部分発作・反復 | 複雑型・反復 | | 発症年齢 | 6ヶ月~6歳 | 初回6ヶ月以前/6歳以降 | 初回年齢外が注視対象 | | 体温 | 高体温なら可 | 関係なし | 影響しない | | **家族歴** | | | | | 親の熱性痙攣既往 | リスク増(再発) | リスク増(再発) | 予後改変なし | | 親の無熱性痙攣既往 | **リスク増(てんかん化)** | **リスク増(てんかん化)** | **注視対象** | | **神経学的所見** | | | | | 正常
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