第15回 言語聴覚士国家試験 第108問
精神医学第15回
統合失調症について正しいのはどれか。
- 1.幼児期に多く発症する。
- 2.神経症性精神障害である。
- 3.男性の有病率は女性の約3倍である。
- 4.発症年齢が高い程社会適応が不良である。
- 5.我が国で入院患者が最も多い精神障害である。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 我が国で入院患者が最も多い精神障害である。
統合失調症は我が国で入院患者の最大の原因疾患であり、精神科病床の約半数以上が統合失調症患者で占められています。これは外来治療の限界や慢性化によるケアの必要性反映しており、ST実践上も重要な背景知識です。
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【各選択肢の解説】
1. 幼児期に多く発症する。
❌ 誤り。統合失調症の発症年齢は通常「思春期~成人期(15~35歳)」です。幼児期発症は極めてまれであり、児童期発症も珍しいとされています。むしろ発症のピークは10代後半~20代という特徴があります。
2. 神経症性精神障害である。
❌ 誤り。統合失調症は「精神病性精神障害(精神病)」に分類されます。神経症性精神障害(不安障害・強迫性障害など)とは異なり、現実検討能力の著しい障害(幻覚・妄想)が特徴です。この分類の誤認は頻出の陷阱です。
3. 男性の有病率は女性の約3倍である。
❌ 誤り。統合失調症の男女比は「約1:1~1.3:1」(男性がやや多いが3倍ではない)です。また男性は女性より発症年齢が早い傾向にあります。誤った数値には注意が必要です。
4. 発症年齢が高い程社会適応が不良である。
❌ 誤り。むしろ逆で、「発症年齢が若い程(早期発症)、社会適応が不良になりやすい」とされています。若年発症は学業・就職機会の喪失リスクが大きく、予後に悪影響を及ぼします。
5. 我が国で入院患者が最も多い精神障害である。
✅ 正しい。統合失調症は日本の精神科入院患者の約55~60%を占め、入院患者が最も多い精神疾患です。これは社会復帰の困難性と慢性化を反映しており、医療資源配分の構造的課題となっています。
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【試験対策ポイント】
統合失調症の基本特性
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発症年齢 | 15~35歳(思春期~成人期)、ピークは10代後半~20代 |
| 男女比 | ほぼ1:1(男性がやや多い、3倍ではない) |
| 診断分類 | 精神病性精神障害(神経症ではない) |
| 有病率 | 0.5~1%(稀な疾患ではない) |
| 入院患者 | 日本の精神科入院患者の55~60%(最多) |
| 発症予後 | 若年発症ほど社会適応が不良 |
頻出誤認識
- 「神経症性」と混同しやすい→精神病性であることを明確に区別
- 「男女比3倍」という数値は出題誤導用→正確には1:1~1.3:1
- 「年齢が高いほど悪い」という逆向き命題→実際は若年発症が不良
ST国試での関連性
- 構音障害・嚥下障害・失語症の背景疾患として統合失調症が出現
- 統合失調症患者は薬物副作用(抗精神病薬による運動障害)による言語機能低下が重要
- コミュニケーション支援の適応判断に統合失調症の重症度・病期理解が必須