第15回 言語聴覚士国家試験 第118問
呼吸系第15回
有声子音生成時に活動せず、無声子音生成時に活動するのはどれか。
- 1.輪状甲状筋
- 2.甲状披裂筋
- 3.外側輪状披裂筋
- 4.披裂筋
- 5.後輪状披裂筋 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 後輪状披裂筋
後輪状披裂筋は声帯を開く(外転)唯一の筋肉であり、無声子音生成時に必須です。有声子音では声帯が閉じた状態で振動するため、この筋は活動しません。一方、他の内喉頭筋は有声・無声の両方で活動します。
---
【各選択肢の解説】
1. 輪状甲状筋
❌ 誤り。声帯の長さと張力を調整する筋肉で、有声・無声両方で活動します。音声の基本周波数(F0)制御に関与し、無声子音生成時にも働きます。
2. 甲状披裂筋
❌ 誤り。声帯を内転(接近)させる筋肉で、有声子音生成に不可欠です。無声子音生成時にも軽度に活動し、声門の形状を調整します。
3. 外側輪状披裂筋
❌ 誤り。声帯を外転(開く)補助筋ですが、無声子音では主に後輪状披裂筋が機能します。この筋は呼吸時にも活動し、両方の音で関与します。
4. 披裂筋
❌ 誤り。声帯を内転させる筋肉で、有声音生成に重要です。特に声帯の後部を接近させるため、有声子音生成時に活動が増加します。
5. 後輪状披裂筋
✅ 正しい。唯一の声帯外転筋であり、声帯を開く作用を持ちます。無声子音では声帯が開いた状態を維持する必要があるため、この筋の活動が不可欠です。有声音では声帯が閉じているため活動しません。
---
【試験対策ポイント】
内喉頭筋の機能と活動パターン
| 筋肉 | 機能 | 有声音時 | 無声音時 | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|
| 後輪状披裂筋 | 声帯外転 | 不活動 | 活動✓ | 唯一の外転筋 |
| 甲状披裂筋 | 声帯内転・弛緩 | 活動 | 軽度活動 | F0低下作用 |
| 披裂筋 | 声帯内転 | 活動 | 軽度活動 | 声帯後部接近 |
| 外側輪状披裂筋 | 声帯外転補助 | 軽度活動 | 活動 | 後輪状筋の補助 |
| 輪状甲状筋 | 張力調整 | 活動 | 活動 | F0制御(上昇) |
重要な否定知識
- 後輪状披裂筋は「呼吸」「有声音」では活動しない
- 輪状甲状筋は「音質」に関与するため、有声・無声両方で活動
- 外側輪状披裂筋が唯一の外転筋ではない(後輪状披裂筋が主)