第15回 言語聴覚士国家試験 第124問
学習心理学第15回
誤っているのはどれか。
- 1.部分強化は連続強化より消去抵抗が高い。
- 2.定時間隔スケジュールでは、一定時間経過後の最初の行動に強化を与える。
- 3.罰の強さを徐々に上げていくと、より大きな行動抑制効果が得られる。 ✓
- 4.段階的に目標行動を条件づけていく手続きをシェーピングという。
- 5.困難な分化条件づけで生じる行動の混乱を実験神経症という。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 罰の強さを徐々に上げていくと、より大きな行動抑制効果が得られる。
罰の強さを段階的に上げると、むしろ行動抑制効果が「低下」します。弱い罰から始めると個体がそれに「慣れ」てしまい(脱感作),より強い罰に対する感受性が減弱する現象が生じます。行動抑制を目指すなら,初期段階から「十分な強度の罰」を一度に与える方が効果的です。
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【各選択肢の解説】
1. 部分強化は連続強化より消去抵抗が高い。
✅ 正しい。部分強化(間欠強化)で条件づけられた行動は,連続強化より消去に対する抵抗が強く,消去までに多くの試行を要します。これは「部分強化効果」として知られ,学習心理学の重要な原理です。
2. 定時間隔スケジュールでは,一定時間経過後の最初の行動に強化を与える。
✅ 正しい。定時間隔(FI: Fixed Interval)スケジュールの定義そのものです。例えばFI 60秒なら,最後の強化から60秒後に初めて起こった行動が強化されます。
3. 罰の強さを徐々に上げていくと,より大きな行動抑制効果が得られる。
❌ 誤り。弱い罰から段階的に強度を上げると,個体が弱い罰に適応(脱感作)し,その後の強い罰に対する感受性が低下します。結果として抑制効果が減弱します。逆説的効果とも呼ばれます。
4. 段階的に目標行動を条件づけていく手続きをシェーピングという。
✅ 正しい。シェーピング(行動形成)は,近似行動を段階的に強化しながら目標行動に近づけていく手続きです。複雑な行動獲得に有効です。
5. 困難な分化条件づけで生じる行動の混乱を実験神経症という。
✅ 正しい。Pavlovが報告した現象で,弁別不可能なほど近い2つの刺激を区別させようとすると,神経症的行動(常同行動や情動的混乱)が生じます。
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【試験対策ポイント】
| 強化スケジュール | 定義 | 消去抵抗 |
|---|---|---|
| 連続強化(CRF) | 毎回強化 | 低い |
| 定比率(FR) | n回目に強化 | 高い |
| 定時間隔(FI) | 一定時間後の最初の行動 | 中程度 |
| 変動比率(VR) | n回を平均に強化(不規則) | 最も高い |
| 変動時間隔(VI) | 一定時間を平均に強化(不規則) | 高い |
罰の効果に関するキーポイント:
- 弱い罰を段階的に上げる→脱感作により効果低下
- 即座性:罰は行動直後が最も効果的
- 一貫性:偶発的な罰は効果が薄い
- 行動の「獲得」にはなりにくい(抑制のみ)
実験神経症の要点:
- Pavlovの古典的研究から発見
- 分化不可能な刺激弁別要求が原因
- 神経症的症状=情動的・行動的混乱
- 臨床応用:段階的脱感作の理論的基礎