第15回 言語聴覚士国家試験 第125問
学習心理学第15回
誤っている組み合せはどれか。
- 1.手続き的知識 ― IF-THENルール
- 2.宣言的知識 ― 命題
- 3.潜在記憶 ― 再生テスト ✓
- 4.忘却 ― 逆行干渉
- 5.記憶術 ― 場所法
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 潜在記憶 ― 再生テスト
潜在記憶は非意識的な記憶であり、再生テストや再認テストなどの顕在的な意図的想起では測定されません。潜在記憶は再学習法やプライミング効果など、間接的な測定方法(潜在記憶テスト)によってのみ検出されるため、この組み合わせは誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 手続き的知識 ― IF-THENルール
✅ 正しい。手続き的知識とは「いかにして行うか」という方法や手続きに関する知識であり、IF-THENルール(条件-行動規則)で表現されます。例えば「信号が赤IF→止まるTHEN」という形式で符号化されます。
2. 宣言的知識 ― 命題
✅ 正しい。宣言的知識(陳述的知識)は「~である」という事実や概念に関する知識で、命題(命題的表象)の形式で記憶に格納されます。「パリはフランスの首都である」のように表現可能な知識です。
3. 潜在記憶 ― 再生テスト
❌ 誤り。潜在記憶は非意識的・自動的な記憶であり、再生テスト(自由再生・系列再生など)は顕在記憶を測定するテストです。潜在記憶は再学習法・プライミング・反応時間測定などの間接的テストで検出されるべきです。再生テストは顕在記憶の測定に属します。
4. 忘却 ― 逆行干渉
✅ 正しい。忘却の原因の一つが干渉説であり、逆行干渉(新しい情報が古い記憶を妨害する)と前向き干渉(古い情報が新しい学習を妨害する)があります。この組み合わせは正確です。
5. 記憶術 ― 場所法
✅ 正しい。場所法(method of loci)は古典的な記憶術であり、空間的に配置された場所と記憶項目を結合させることで、記憶成績を向上させる技法です。古代から用いられている効果的な記憶戦略です。
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【試験対策ポイント】
顕在記憶 vs 潜在記憶の測定方法の区別
| 記憶タイプ | 特徴 | 測定方法 |
|---|---|---|
| 顕在記憶 | 意識的・意図的な想起が可能 | 再生テスト・再認テスト(直接テスト) |
| 潜在記憶 | 無意識的・非意図的な影響として表現される | プライミング・再学習法・反応時間(間接テスト) |
忘却の3大理論
- 痕跡減弱説:時間経過により記憶痕跡が自然消滅
- 干渉説:逆行干渉・前向き干渉により記憶が抑制
- 符号化の失敗説:当初から適切に符号化されていない
宣言的知識 vs 手続き的知識(Anderson の階層)
- 宣言的:「何か」知識(事実・概念)→ 命題的表象
- 手続き的:「いかにして」知識(スキル・方法)→ IF-THENルール
記憶術の代表例
- 場所法(method of loci):空間的位置と項目の結合
- 語呂合わせ法:意味的な変換
- ペグワード法:既知語と新規項目の連結