STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第126問

学習心理学第15回
誤っているのはどれか。
  1. 1.概念形成課題において、全体方略は部分方略より有効である。
  2. 2.幼児では逆転学習より非逆転学習が困難である。 ✓
  3. 3.ある概念を特徴づける属性を把握することを概念達成という。
  4. 4.異なる対象に同じ対象であるかのように反応することを等価反応という。
  5. 5.機能の固着によって問題解決は障害される。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 幼児では逆転学習より非逆転学習が困難である。 幼児では逆転学習が非逆転学習より困難です。逆転学習(reversal learning)は学習済みの規則を反転させる課題で、前の学習との抑制が必要なため、発達途上の幼児には非逆転学習(非逆転弁別学習)より難しくなります。これは発達心理学で確立された知見です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 概念形成課題において、全体方略は部分方略より有効である。 ✅ 正しい。全体方略(全属性に注目)は部分方略(1つの属性のみに注目)より、複数の属性から概念を構成する場合に有効です。体系的で効率が良いとされています。 2. 幼児では逆転学習より非逆転学習が困難である。 ❌ 誤り。幼児では非逆転学習(nonreversal shift)より逆転学習(reversal shift)が困難です。逆転学習は前の学習の抑制が必要なため、認知発達の未熟な幼児には難しくなります。問題文は「より~困難である」の関係が反対です。 3. ある概念を特徴づける属性を把握することを概念達成という。 ✅ 正しい。概念達成(concept attainment)は、複数の属性の中から概念を定義する本質的属性を同定するプロセスです。Brunerらによって研究された重要な学習形態です。 4. 異なる対象に同じ対象であるかのように反応することを等価反応という。 ✅ 正しい。等価反応(equivalent response)は、異なる刺激に対して同じ反応をすることで、概念形成の基本メカニズムです。例:「リンゴ」「ミカン」を両方「果物」として扱う反応。 5. 機能の固着によって問題解決は障害される。 ✅ 正しい。機能の固着(functional fixedness)は、対象の通常の用途に捉われて別の用途が思いつかない認知的障害です。Duncker(1945)の古典的研究で報告されており、問題解決を妨げることが実証されています。 --- 【試験対策ポイント】 逆転学習(Reversal learning)と非逆転学習(Nonreversal shift)の比較 | 学習タイプ | 内容 | 難度(幼児) | 難度(成人) | |---|---|---|---| | 逆転学習 | 学習済みルールを反転(AからB属性に切替) | 難しい | 易しい | | 非逆転学習 | 別の無関係な属性に注目 | 易しい | 難しい | 発達とともに、逆転学習はより容易になり、非逆転学習は難しくなる傾向があります。これはWisconsin Card Sorting Test(WCST)でも同じ傾向が見られます。 キーワード - 概念達成:属性の同定プロセス - 等価反応:異刺激への同反応 - 機能の固着(Duncker):問題解決の障害 - 全体方略>部分方略:より効率的
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