STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第128問

心理測定法第15回
因子分析について誤っているのはどれか。 a.因子間の因果関係を分析する。 b.変数間の相関データをもとに分析する。 c.因子間の相関がないと仮定する方法がある。 d.尺度構成のために利用できる。 e.外的基準のある多変量解析の一種である。 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — a,e 因子分析は、多くの変数の背後にある共通の潜在因子を探索する多変量解析法ですが、「因子間の因果関係を分析する」わけではなく、また「外的基準を持たない」という点が重要です。因果関係の分析は構造方程式モデリング(SEM)や重回帰分析の領域であり、因子分析は相関構造の解明に特化しています。 --- 【各選択肢の解説】 a. 因子間の因果関係を分析する。 ❌ 誤り。因子分析は多くの変数間の相関構造から潜在因子を抽出する方法であり、因子間の因果関係を分析するものではありません。因果関係の分析には構造方程式モデリング(SEM)や重回帰分析を用います。 b. 変数間の相関データをもとに分析する。 ✅ 正しい。因子分析は相関行列(または共分散行列)を入力として、変数間の相関構造を分析する方法です。相関データは因子分析の出発点となります。 c. 因子間の相関がないと仮定する方法がある。 ✅ 正しい。直交因子解(バリマックス回転など)では因子間の相関がゼロと仮定します。一方、斜交因子解では因子間に相関を許容します。どちらの方法を選ぶかは研究目的による。 d. 尺度構成のために利用できる。 ✅ 正しい。因子分析は複数の項目から潜在的な心理特性(因子)を抽出し、信頼性と妥当性のある尺度を構成するために広く利用されています。項目の選定・削除の判断にも役立ちます。 e. 外的基準のある多変量解析の一種である。 ❌ 誤り。因子分析は「外的基準のない」多変量解析(教師なし学習)です。変数間の内部相関構造のみから因子を抽出します。外的基準を用いる多変量解析は重回帰分析や判別分析です。 --- 【試験対策ポイント】 | 多変量解析の分類 | 外的基準 | 目的 | |---|---|---| | 因子分析 | なし | 相関構造から潜在因子を抽出 | | 主成分分析 | なし | 次元縮約・合成変数の創出 | | 重回帰分析 | あり | 従属変数の予測・説明 | | 判別分析 | あり | グループ分類 | | 構造方程式モデリング | あり | 因果関係と相関の同時分析 | キーワード: - 外的基準「なし」が因子分析の定義的特徴 - 相関行列が入力データ - 潜在因子の抽出が目的 - 因果関係ではなく「相関構造」を分析 頻出誤認:「因子分析=因果分析」と混同しやすいが、因果関係を仮定する場合はSEMを用いる。
関連

▶ 第15回 全問一覧

▶ 心理測定法 の過去問一覧