STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第129問

精神医学第15回
正しい組み合せはどれか。
  1. 1.Kretschmer,E. ― 分裂気質 ✓
  2. 2.Eysenck,H,J. ― 闘士型
  3. 3.Jung,C,G. ― 神経症傾向
  4. 4.Guilford,J,P. ― 黒胆汁質
  5. 5.Allport,G,W. ― 循環気質

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — Kretschmer,E. — 分裂気質 Kretschmerは体格型理論の中で、細長型体格の人に分裂気質(分裂病質)が多いと主張しました。これは気質と体型の関連を説く古典的な人格理論の代表例です。 --- 【各選択肢の解説】 1. Kretschmer,E. — 分裂気質 ✅ 正しい。Kretschmerは「体格と気質の関係」を研究し、細長型(無力型)体格の人に分裂気質(統合失調症様の傾向)が多く見られると提唱しました。円型体格には循環気質、筋肉質型には闘士気質が多いとしています。 2. Eysenck,H,J. — 闘士型 ❌ 誤り。Eysenckyが提唱したのは「外向性―内向性」「神経症傾向」の2つの次元を軸とした性格理論であり、「闘士型」という概念は彼の理論に含まれません。闘士型はKretschmerの分類です。 3. Jung,C,G. — 神経症傾向 ❌ 誤り。Jungは分析心理学の創始者で、内向型と外向型の対比やコンプレックス理論などで知られています。「神経症傾向」という気質分類は彼の理論ではなく、Eysenckyの次元です。 4. Guilford,J,P. — 黒胆汁質 ❌ 誤り。Guilfordは因子分析を用いた知能研究(知能の三次元モデル)で有名です。「黒胆汁質」は古代ギリシャの体液説(ヒポクラテス)に由来する気質分類であり、Guilfordの理論ではありません。 5. Allport,G,W. — 循環気質 ❌ 誤り。Allportは人格特性の分類(約4,500の特性語を抽出した辞書的研究)で知られています。「循環気質」はKretschmerが円型体格に関連させた気質で、Allportの理論ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 気質理論の歴史的整理: | 研究者 | 理論名 | 分類 | |---|---|---| | ヒポクラテス | 体液説 | 多血質・胆汁質・黒胆汁質・粘液質 | | Kretschmer | 体格型理論 | 細長型→分裂気質、円型→循環気質、筋肉質→闘士気質 | | Sheldon | 体型学的性格論 | 内胚葉型・中胚葉型・外胚葉型 | | Eysenck | 次元論 | 外向性―内向性、神経症傾向、精神病傾向の3軸 | | Guilford | 知能研究 | 知能の三次元モデル(内容・操作・生産物) | | Jung | 分析心理学 | 内向型・外向型、コンプレックス理論 | | Allport | 特性論 | 人格特性の辞書的分類(4,500語) | 紛らわしい点の整理: - Eysenckyの「神経症傾向」≠「黒胆汁質」(古い体液説との混同を避ける) - Jungの「内向型・外向型」≠「循環気質・分裂気質」(同じような対比だが異なる理論) - Kretschmerの「気質分類」は「体格と精神疾患の関連性」を扱う(診断的含意あり)
関連

▶ 第15回 全問一覧

▶ 精神医学 の過去問一覧