第15回 言語聴覚士国家試験 第13問
聴覚系第15回
ハント症候群でみられる症状はどれか。
a.めまい
b.単純疱疹
c.伝音難聴
d.耳下腺腫脹
e.顔面神経麻痺
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e(めまい、顔面神経麻痺)
ハント症候群はヘルペスゾスター帯状疱疹ウイルス(VZV)による顔面神経炎であり、顔面神経麻痺と内耳障害(めまい)の両者が同時に発症することが特徴です。耳介や外耳道に特有の水疱性病変が見られますが、これは単純疱疹(HSV-1)ではなく帯状疱疹ウイルスによるものです。
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【各選択肢の解説】
a. めまい
✅ 正しい。ハント症候群ではVZVが顔面神経とともに前庭神経にも感染して内耳炎を起こし、回転性めまい・眼振・平衡障害が高頻度(60~90%)でみられます。これは予後不良の指標となります。
b. 単純疱疹
❌ 誤り。ハント症候群の病因はヘルペスゾスター帯状疱疹ウイルス(VZV)であり、単純疱疹ウイルス(HSV-1)ではありません。ただしRamsay Hunt症候群では特徴的な水疱性病変が耳介・外耳道に出現します。
c. 伝音難聴
❌ 誤り。ハント症候群では感音難聴(内耳神経炎による)が見られ、伝音難聴は通常みられません。難聴は顔面神経麻痺と同程度の頻度で発症します。
d. 耳下腺腫脹
❌ 誤り。ハント症候群の特徴は耳介・外耳道の水疱性病変(帯状疱疹の皮疹)であり、耳下腺腫脹は顔面神経麻痺の一般的な随伴症状ではありません。特にこの疾患では顔面神経の神経炎が中心です。
e. 顔面神経麻痺
✅ 正しい。ハント症候群の定義的症状です。VZVが膝状神経節に潜伏感染しており、これが再活性化すると顔面神経麻痺を発症します。Bell麻痺と異なり、明確な病因が特定できる二次性顔面神経麻痺です。
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【試験対策ポイント】
顔面神経麻痺の鑑別(原因別)
| 疾患名 | 病因 | 特徴的症状 | 水疱 |
|---|---|---|---|
| **ハント症候群** | VZV(帯状疱疹) | めまい・感音難聴・耳痛 | あり(耳介・外耳道) |
| **Bell麻痺** | 不明(ウイルス説が有力) | 原因不明・予後良好 | なし |
| **脳幹梗塞** | 血管障害 | 対側麻痺・Millard-Gubler症候群 | なし |
ハント症候群で覚えるべき負の要素:
- 「単純疱疹」ではない → VZVが正解
- 「伝音難聴」ではない → 感音難聴が起きる
- 「耳下腺腫脹」ではない → 水疱性病変(外耳道など)が起きる
- 「めまい」は60~90%で随伴 → Bell麻痺との重要な鑑別点
記憶法:
ハント = Herpes Zoster + Otitis interna(内耳炎) + Neuralgic pain + めまい