第15回 言語聴覚士国家試験 第14問
臨床歯科医学/口腔外科学第15回
口腔乾燥症の原因でないのはどれか。
- 1.脱水症
- 2.唾石症 ✓
- 3.放射線照射
- 4.薬物の副作用
- 5.シェーグレン症候群
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 唾石症
唾石症は唾液腺管内に結石が形成される疾患であり、むしろ唾液分泌阻害により相対的に唾液が濃縮される条件となりますが、唾液分泌そのものを根本的に減少させる原因ではありません。一方、他の選択肢はすべて唾液分泌量の低下を直接的に引き起こします。
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【各選択肢の解説】
1. 脱水症
❌ 誤り(口腔乾燥症の原因)。脱水により全身の水分が不足すると、唾液分泌量が低下し口腔乾燥が生じます。特に高齢者は脱水リスクが高く、口腔乾燥の重要な原因です。
2. 唾石症
✅ 正しい(口腔乾燥症の原因ではない)。唾石症は唾液腺管を物理的に閉塞させますが、唾液分泌能そのものは保持されています。むしろ閉塞部位の近位腺では唾液が貯留し、分泌の瘀滞が起こります。唾液分泌量の絶対的低下ではなく、分泌経路の問題です。
3. 放射線照射
❌ 誤り(口腔乾燥症の原因)。放射線治療(頭頸部がんなど)により唾液腺組織が破壊され、唾液分泌細胞が障害されます。このため永続的な唾液分泌低下が生じ、放射線性口腔乾燥症として臨床的に重大です。
4. 薬物の副作用
❌ 誤り(口腔乾燥症の原因)。抗ヒスタミン薬・抗うつ薬・抗パーキンソン薬など多くの医薬品が副交感神経遮断作用を持ち、唾液分泌を抑制します。特に多剤併用時に口腔乾燥が顕著になります。
5. シェーグレン症候群
❌ 誤り(口腔乾燥症の原因)。自己免疫疾患で、涙腺・唾液腺がリンパ球で浸潤され、分泌組織が破壊されます。口腔乾燥(ドライマウス)と眼乾燥が特徴的です。
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【試験対策ポイント】
口腔乾燥症の原因分類
| 分類 | 具体例 | メカニズム |
|---|---|---|
| 全身性疾患 | シェーグレン症候群、糖尿病、肝硬変 | 唾液分泌能の低下 |
| 薬物 | 抗ヒスタミン薬、三環系抗うつ薬、利尿薬 | 副交感神経遮断 |
| 放射線治療 | 頭頸部がん治療後 | 分泌腺組織の破壊 |
| 水分不足 | 脱水症、不感蒸泄増加 | 唾液産生基質の不足 |
| 心理的 | ストレス、心身症 | 交感神経優位化 |
| 機械的閉塞 | 唾石症、腫瘍 | 分泌経路の阻害のみ |
唾石症の特徴
- 唾液分泌能そのものは保持
- 患側の唾液分泌が一時的に阻害されるが、全身的な口腔乾燥の原因にはならない
- むしろ患側唾液腺の腫脹・疼痛が主症状
- 治療は結石の除去(保存的または外科的)
頻出の誤りやすいポイント
- 唾液分泌を「妨害する」ことと「低下させる」ことの区別
- 唾石症は局所的な分泌