STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第133問

生涯発達心理学第15回
知能について正しいのはどれか。
  1. 1.Thurstone,L,L. ― 2因子説
  2. 2.Spearman,C. ― 多因子説
  3. 3.Gibson.J,J. ― 知性構造モデル
  4. 4.Cattel,R,B. ― 結晶性知能・流動性知能 ✓
  5. 5.Bruner,J,S. ― 発達の最近接領域

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — Cattel,R,B. — 結晶性知能・流動性知能 Cattellは知能を「結晶性知能(経験や学習の影響を受けた知能)」と「流動性知能(生まれつきの推理能力)」に分類する理論を提唱しており、これが知能研究における最も有力な分類です。この二因子説は現代の認知心理学でも広く支持されています。 --- 【各選択肢の解説】 1. Thurstone,L,L. — 2因子説 ❌ 誤り。Thurstoneが提唱したのは「多因子説」です。知能を単一の「g因子」ではなく、言語理解・知覚速度・推理など複数の独立した因子(一次的精神能力:PMA)から構成されると考えました。選択肢の「2因子説」は誤った説明です。 2. Spearman,C. — 多因子説 ❌ 誤り。Spearmanが提唱したのは「2因子説」であり、多因子説ではありません。彼の理論は一般因子「g因子」(言語・数学・推理など全ての知的課題に共通する能力)と、特殊因子「s因子」(個別課題に特有の能力)から知能は構成されるというものです。選択肢は正反対になっています。 3. Gibson,J,J. — 知性構造モデル ❌ 誤り。Gibsonは「アフォーダンス理論」で知られており、知性構造モデルではありません。「知性構造モデル」はGuilford,J,Pが提唱した理論で、知能を「思考領域(認知・記憶・発散的思考など)」「内容領域(図形・意味・行動など)」「産出領域」の3次元で説明しています。 4. Cattel,R,B. — 結晶性知能・流動性知能 ✅ 正しい。Cattellは知能を結晶性知能(「知識の蓄積」で、経験や教育の影響を受けやすく加齢で維持されやすい)と流動性知能(「一般的推理能力」で、生まれつきの認知的柔軟性。加齢に伴い低下しやすい)に分類する理論を提唱しました。この理論は ST臨床でも高齢者の認知機能評価を考える際に重要です。 5. Bruner,J,S. — 発達の最近接領域 ❌ 誤り。「発達の最近接領域(Zone of Proximal Development:ZPD)」を提唱したのはVygotsky,L,S.です。Brunerが提唱した主要理論は「スキャフォルディング」(支援者が適切な支援を段階的に減らしていく教育方法)や「表象の3段階」(動作表象→映像表象→記号表象)です。 --- 【試験対策ポイント】 知能理論の人物と理論の対応(最頻出エラー箇所) | 研究者 | 理論名 | 特徴 | |---|---|---| | Spearman | 2因子説 | g因子(一般)+s因子(特殊) | | Thurstone | 多因子説 | 一次的精神能力(PMA):複数の独立因子 | | Cattell | 結晶性・流動性 | 経験的知能 vs 生得的推理能力 | | Guilford | 知性構造モデル | 3次元(思考領域×内容領域×産出領域) | | Bruner | スキャフォルディング | 段階的支援の段階的撤退 | | Vygotsky | 最近接領域(ZPD) | 現在の能力と潜在能力の差 | 重要否定知識 - Gibsonは「アフォーダンス理論」で知られ、知能理論は専門ではない - Thurstone ≠ 2因子説(多因
関連

▶ 第15回 全問一覧

▶ 生涯発達心理学 の過去問一覧