STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第153問

言語聴覚障害総論第15回
誤っているのはどれか。
  1. 1.GRBAS評価は間隔尺度である。 ✓
  2. 2.WAB失語症検査は描画を含む。
  3. 3.構音類似運動の評価は訓練計画に有用な情報を与える。
  4. 4.近時記憶を評価する言語検査には三宅式記銘力検査がある。
  5. 5.対象者との面接で主訴などの情報収集と同時に症状の観察を行う。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — GRBAS評価は間隔尺度である。 GRBAS評価は段階的な5段階評価(0=正常、1=軽度、2=中等度、3=中等度以上、4=高度)ですが、これは順序尺度(順序スケール)です。「どちらが悪いか」の順序は定まりますが、各段階の間隔が等間隔ではないため、算術操作(平均値など)には適さないという特徴があります。間隔尺度であれば、各段階の差が等価であり統計処理が可能ですが、GRBAS評価ではそうした前提がありません。 --- 【各選択肢の解説】 1. GRBAS評価は間隔尺度である。 ❌ 誤り。GRBAS評価は順序尺度です。段階的な5段階評価(0〜4)では各段階間の距離が均等ではないため、算術演算が成り立ちません。一般的には順序関係のみが保証される順序尺度として扱われます。 2. WAB失語症検査は描画を含む。 ✅ 正しい。Western Aphasia Battery(WAB)は失語症検査の中でも最も包括的で、命名・復唱・理解など各検査項目に加えて、描画課題(描画表現)も含まれています。複数の観点から言語機能を評価します。 3. 構音類似運動の評価は訓練計画に有用な情報を与える。 ✅ 正しい。構音類似運動とは音声化された構音(「パパパ」「タタタ」など)と非音声化構音を評価する検査です。これにより口腔運動器官の器質的異常の有無や速度、精密性が判定でき、具体的な訓練内容の決定に直結する重要な情報源となります。 4. 近時記憶を評価する言語検査には三宅式記銘力検査がある。 ✅ 正しい。三宅式記銘力検査は、聴覚的・視覚的に提示された複数語の記銘と再生を測定する検査であり、特に近時記憶(短期記憶)評価の標準的な言語検査です。認知機能評価における基本的なツールです。 5. 対象者との面接で主訴などの情報収集と同時に症状の観察を行う。 ✅ 正しい。言語聴覚士による初期評価では、会話を通じた情報収集(主訴・病歴・日常生活状況)と、並行して対象者の言語・音声・構音・嚥下などの症状を直接観察することが基本的評価手続きです。面接と観察の同時実施は標準的です。 --- 【試験対策ポイント】 **計測尺度の区別(ST国試頻出)** | 尺度 | 定義 | 例 | 統計操作 | |---|---|---|---| | 名義尺度 | 分類のみ | 言語障害の有無、失語症タイプ | 度数、出現比率 | | 順序尺度 | 大小関係あり | GRBAS評価、重症度スケール | 中央値、四分位 | | 間隔尺度 | 差が等価 | 温度(℃)、標準化検査の得点 | 平均値、標準偏差 | | 比率尺度 | ゼロ点がある | 身長・体重、言語年齢 | すべての統計操作 | **GRBAS評価の基礎** - Grade(グレード):嗄声の全体的重症度 - Roughness:声のざらざら感 - Breathiness:気息性嗄声 - Asthenia:虚弱性 - Strain:努力的な発声 → 各項目5段階(0〜4)で評価するが、「順序」は定まるが「間隔」は均等ではない **面接と観
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