STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第156問

失語症第15回
誤っている組み合せはどれか。
  1. 1.混合性超皮質性失語 ― 反響言語
  2. 2.超皮質性運動失語 ― 発語失行 ✓
  3. 3.全失語 ― 再帰性発話
  4. 4.伝導失語 ― 接近行為
  5. 5.ウェルニッケ失語 ― ジャルゴン

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 超皮質性運動失語 ― 発語失行 超皮質性運動失語の特徴は「復唱が良好」である点です。発語失行は大脳皮質運動領域の損傷で生じる音韻計画の障害であり、超皮質性運動失語(皮質下病変)とは病態が異なります。超皮質性運動失語の主症状は無動性無言(spontaneous speechの著しい減少)であり、発語失行ではありません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 混合性超皮質性失語 ― 反響言語 ✅ 正しい。混合性超皮質性失語では、自発話は著しく障害されていますが、聞こえた言葉をオウム返しに繰り返す反響言語(echolalia)が特徴的に見られます。これは語義理解や適切な応答能力は失われているのに、言葉の自動的模倣機能が残存する状態です。 2. 超皮質性運動失語 ― 発語失行 ❌ 誤り。超皮質性運動失語の主症状は無動性無言であり、復唱と理解は比較的保たれています。発語失行は、大脳皮質運動領域の損傷による音韻計画障害であり、超皮質性失語(皮質下損傷)の症状ではありません。この組み合わせは誤りです。 3. 全失語 ― 再帰性発話 ✅ 正しい。全失語では自発話の著しい障害がありますが、再帰性発話(recurring utterance)と呼ばれる限定された常同的な発話パターン(「ダダダ」や「タンタンタン」など)が反復的に出現することがあります。これは皮質と皮質下を含む広範な損傷による特徴です。 4. 伝導失語 ― 接近行為 ✅ 正しい。伝導失語では「直そうとする努力」が顕著であり、正答に接近しようとする行動(接近行為:conduite d'approche)が見られます。復唱が著しく不良なため、正答を目指して何度も試行錯誤する特徴的な症状です。 5. ウェルニッケ失語 ― ジャルゴン ✅ 正しい。ウェルニッケ失語では流暢だが意味不明な発話が特徴的です。ジャルゴン(jargon:造語や音韻的障害による無意味な言葉の羅列)は、特にウェルニッケ失語の急性期に見られる典型的な言語症状です。 --- 【試験対策ポイント】 失語症タイプと特徴的症状の対応 | 失語症タイプ | 自発話 | 理解 | 復唱 | 特徴的症状 | |---|---|---|---|---| | Broca失語 | 非流暢 | 良好 | 不良 | 努力性発話・ブロッキング | | Wernicke失語 | 流暢 | 不良 | 不良 | ジャルゴン・語義理解困難 | | 伝導失語 | 流暢 | 良好 | 著しく不良 | **接近行為**(修正努力) | | 超皮質性運動失語 | 非流暢 | 良好 | **良好** | 無動性無言 | | 超皮質性感覚失語 | 流暢 | 不良 | 良好 | 異常復唱 | | 混合性超皮質性失語 | 非流暢 | 不良 | 良好 | **反響言語** | | 全失語 | 非流暢 | 不良 | 不良 | **再帰性発話** | 重要否定知識 - 発語失行は超皮質性失語の症状ではない(皮質運動領域損傷による音韻
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