第15回 言語聴覚士国家試験 第158問
失語症第15回
失語症の訓練・援助について誤っているのはどれか。
- 1.機能再編成法は強力な聴覚刺激を使用する。 ✓
- 2.実用コミュニケーション訓練では残存能力を活用する。
- 3.グループ訓練は心理・社会面の援助になる。
- 4.環境調整には失語症者と関わる者に失語症の知識を伝達することが含まれてる。
- 5.失語症友の会などの当事者グループは失語症者の社会参加の場となる。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 機能再編成法は強力な聴覚刺激を使用する。
機能再編成法(モダリティ別刺激法)は、視覚・触覚など複数の感覚モダリティを使用して脳の神経再編を促すもので、「強力な聴覚刺激」を特別に強調するものではありません。むしろ多感覚統合が特徴です。他の選択肢はすべて失語症訓練・援助の正確な実践内容を表しています。
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【各選択肢の解説】
1. 機能再編成法は強力な聴覚刺激を使用する。
❌ 誤り。機能再編成法(モダリティ別刺激法)は聴覚に限定されず、視覚・触覚・身体運動などの複数感覚を統合的に使用します。聴覚刺激を「強力に」することが特徴ではなく、多感覚統合による神経可塑性の活用が本質です。
2. 実用コミュニケーション訓練では残存能力を活用する。
✅ 正しい。実用コミュニケーション訓練(FAP:Functional Aphasia Therapy)は、障害部位の回復を待つのではなく、失語症者が現在保有する残存能力(身振り・指差し・イントネーション・書字など)を最大限に活用してコミュニケーション効率を高める方法です。
3. グループ訓練は心理・社会面の援助になる。
✅ 正しい。グループ訓練は失語症者同士の相互作用を通じて、孤立感の軽減、自尊心の回復、社会的ネットワーク形成につながり、心理的・社会的面での有効な援助方法です。
4. 環境調整には失語症者と関わる者に失語症の知識を伝達することが含まれている。
✅ 正しい。環境調整は、家族・医療職・教育職など周囲の者に失語症の特性や対応方法を教育し、失語症者が置かれた環境全体をサポートしやすくする援助アプローチです。
5. 失語症友の会などの当事者グループは失語症者の社会参加の場となる。
✅ 正しい。失語症友の会は失語症者が同病の仲間と出会い、経験を共有し、社会的孤立から脱出する重要な場であり、社会参加促進の実践的プラットフォームです。
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【試験対策ポイント】
失語症訓練・援助方法の分類
訓練アプローチ | 特徴・実施内容
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機能再編成法 | 多感覚統合による神経可塑性促進(聴覚限定ではない)
実用コミュニケーション訓練 | 残存能力(身振り・指差し等)の最大活用
強化的アプローチ | 刺激量・刺激頻度の増加(高頻度反復)
援助方法 | 適応対象・効果
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グループ訓練 | 心理社会面の改善・相互作用
環境調整 | 周囲の者への教育・支援体制整備
当事者グループ | 社会参加・仲間支援・情報共有
「強力な○○刺激」という表現が試験で出たら要注意
- 正答:「多感覚」「複数モダリティ」など包括的な表現が正しい
- 誤答:特定1つの刺激様式を強調する説明