STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第159問

失語症第15回
軽度失語症の訓練として適切でないのはどれか。
  1. 1.談話の産生
  2. 2.ニュース文の聴理解
  3. 3.会話の訓練
  4. 4.構文の訓練
  5. 5.高頻度語の読解 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 高頻度語の読解 軽度失語症の訓練では、実生活での言語使用能力を向上させることが最優先です。高頻度語の読解は基礎的・初級段階の訓練であり、軽度失語症では既に習得されているため、むしろ複雑度を上げた訓練(談話・構文・会話など)に進むべき段階です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 談話の産生 ✅ 正しい。談話レベルの産生訓練は、軽度失語症において実生活での自然な表現能力を引き出すための重要な訓練方法です。日常的な説明や説話能力の改善に直結します。 2. ニュース文の聴理解 ✅ 正しい。ニュース文は複雑な構文を含み、より高度な理解能力が求められます。軽度失語症では単語や簡単な文ではなく、このような実用的で複雑な材料での聴理解訓練が適切です。 3. 会話の訓練 ✅ 正しい。実生活に最も密接した訓練です。軽度失語症では、単語や文の訓練段階を超えて、自然な会話場面での言語運用能力を高めることが治療目標となります。 4. 構文の訓練 ✅ 正しい。特にBroca失語など構文処理に困難を示す軽度失語症では、より複雑な構文の理解・産生訓練は適切です。症状の微細な段階での改善を目指します。 5. 高頻度語の読解 ❌ 誤り。高頻度語は重度・中等度失語症の初期訓練段階で行うべき基礎的な項目です。軽度失語症ではすでに習得されていることが多く、難易度不足で訓練効果が期待できません。 --- 【試験対策ポイント】 失語症の訓練段階(難易度順) | 段階 | 対象症状度 | 訓練内容 | |---|---|---| | 初期段階 | 重度~中等度 | 高頻度語・単語・単語レベル読み書き | | 中期段階 | 中等度~軽度 | 単語文・簡単な構文・短文理解 | | 後期段階 | 軽度 | 複雑な構文・談話・会話・実用的教材(ニュース等) | 軽度失語症の特徴と訓練選択 • 単語理解はほぼ保持されている → 高頻度語訓練は不要 • 構文処理・統語理解に微細な困難が残存 → 構文訓練は有効 • 実生活では「話す・聞く」場面が中心 → 談話・会話訓練が優先 • より自然で複雑な素材が必要 → ニュース等の実用教材が適切 キーワード:「訓練の段階性」「難易度の適切性」「実生活への転移」
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