第15回 言語聴覚士国家試験 第161問
臨床神経学第15回
アルツハイマー病の病理学的検査はどれか。
a.老人斑
b.脱髄斑
c.レビー小体
d.ピック小体
e.神経原線維変化
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — a,e(老人斑と神経原線維変化)
アルツハイマー病の病理学的特徴は、脳内に「老人斑」と「神経原線維変化」が蓄積することです。老人斑はアミロイドベータ(Aβ)蛋白の沈着、神経原線維変化はタウ蛋白のリン酸化による神経細胞内の繊維化が機序です。これら2つが同時に認められることがアルツハイマー病診断の病理学的根拠となります。
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【各選択肢の解説】
a. 老人斑
✅ 正しい。アミロイドベータ(Aβ42)が細胞外に蓄積したもので、アルツハイマー病の病理学的hallmarkの一つです。加齢に伴い脳内に進行性に増加します。
b. 脱髄斑
❌ 誤り。脱髄斑(MS斑)は多発性硬化症の病理学的特徴です。アルツハイマー病には認められません。
c. レビー小体
❌ 誤り。レビー小体はパーキンソン病・レビー小体型認知症で認められるアルファシヌクレイン蛋白の沈着物です。アルツハイマー病の病理ではありません。
d. ピック小体
❌ 誤り。ピック小体(Pick body)はピック病(前頭側頭型認知症の一亜型)に特異的な所見で、タウ蛋白の沈着物です。アルツハイマー病では認められません。
e. 神経原線維変化
✅ 正しい。神経細胞内にタウ蛋白がリン酸化されて蓄積し、もつれ状の線維化を形成する所見です。海馬など認知機能に関連した領域に顕著に認められます。
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【試験対策ポイント】
認知症の病理学的特徴(紛らわしい項目)
| 疾患 | 主病理所見 | 副次的所見 |
|---|---|---|
| アルツハイマー病 | 老人斑(Aβ)+ 神経原線維変化(タウ) | 脳萎縮(特に海馬) |
| レビー小体型認知症 | レビー小体(αシヌクレイン) | パーキンソニズム |
| ピック病 | ピック小体(タウ)+ Pick neurons | 前頭・側頭葉萎縮 |
| パーキンソン病 | レビー小体 | 黒質神経細胞脱落 |
| 多発性硬化症 | MS斑(脱髄) | 炎症細胞浸潤 |
キーワード整理
- 「老人斑」=「アミロイドベータ沈着」→アルツハイマー
- 「神経原線維変化」=「タウリン酸化」→アルツハイマー
- 「レビー小体」=「αシヌクレイン」→パーキンソン病・LBD
- 「ピック小体」=「ピック病」→Pick病のみ
- 「脱髄斑」=「MS斑」→多発性硬化症のみ
負の選択肢(重要)
他の神経変性疾患の病理所見がダストラクターとして組み込まれているため、「どの病理が何病か」の一対一対応を確実に記憶することが必須です。特にレビー小体とピック小体の区別が問われやすいポイントです。