STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第163問

高次脳機能障害第15回
誤っている組み合せはどれか。
  1. 1.観念運動性失行 ― 左頭頂葉
  2. 2.着衣失行 ― 右頭頂葉
  3. 3.構成障害 ― 右頭頂葉
  4. 4.本能性把握反応 ― 前頭葉
  5. 5.道具の強迫的使用 ― 頭頂葉 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 道具の強迫的使用 — 頭頂葉 道具の強迫的使用は前頭葉(特に前頭前皮質)の障害で生じます。これは目の前にある道具を無意識に使用してしまう前頭葉症候群の一症状で、頭頂葉病変では生じません。他の選択肢は全て正確な局在性を示しており、本問では誤った組み合わせを問うているため5番が正答です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 観念運動性失行 — 左頭頂葉 ✅ 正しい。観念運動性失行は左半球の頭頂葉や頭頂側頭葉の損傷で生じ、道具を使用する動作の知識は保たれているが実行できない障害です。言語優位半球の障害により、動作プログラムへのアクセスが障害されます。 2. 着衣失行 — 右頭頂葉 ✅ 正しい。着衣失行は右頭頂葉損傷(特に非優位半球)で典型的に出現し、身体図式の障害とそれに伴う空間認識の障害により、衣類と身体部位の関係を認識できなくなります。 3. 構成障害 — 右頭頂葉 ✅ 正しい。構成障害(構成失行)も右頭頂葉損傷で生じ、空間的な配置やパターンの認識・実行が障害されます。積み木課題やコピー課題で典型的に障害が出現します。 4. 本能性把握反応 — 前頭葉 ✅ 正しい。本能性把握反応は前頭葉(特に補足運動野や前頭前皮質)の障害で生じ、刺激に対して不随意かつ強制的に把握反応が誘発される症候です。 5. 道具の強迫的使用 — 頭頂葉 ❌ 誤り。道具の強迫的使用は前頭葉症候群の一症状であり、前頭葉(前頭前皮質)病変で生じます。目の前の道具を見ると、その使用目的や文脈に関わらず無意識に使用してしまう行動です。頭頂葉損傷では生じません。 --- 【試験対策ポイント】 高次脳機能障害の半球別・部位別局在性 | 機能障害 | 責任病変 | 特徴 | |---|---|---| | **左半球(言語優位)** | | | | 観念運動性失行 | 左頭頂葉・頭頂側頭葉 | 動作知識は保持、実行不可 | | 観念失行 | 左脳梁の後部 | 両手で実行不可 | | **右半球(非優位)** | | | | 着衣失行 | 右頭頂葉 | 衣類と身体の空間関係障害 | | 構成障害 | 右頭頂葉 | 積み木・模写で障害 | | 地誌的見当識障害 | 右頭頂葉 | 環境の空間認識障害 | | 半側空間無視 | 右頭頂葉・頭頂後頭皮質 | 左側の刺激に気付かない | | **前頭葉症候群** | | | | 本能性把握反応 | 前頭葉 | 刺激への不随意的把握 | | 道具の強迫的使用 | 前頭葉 | 無意識的な道具使用 | | 環境依存行動 | 前頭葉 | 環境刺激への過剰反応 | | 視覚的吸引 | 前頭葉 | 視界の刺激に無意識に従う | 頭頂葉障害の3
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