第15回 言語聴覚士国家試験 第164問
言語発達障害学第15回
言語症状が進行性の疾患はどれか。
- 1.ダウン症候群
- 2.レット症候群 ✓
- 3.脆弱X症候群
- 4.ターナー症候群
- 5.プラダー・ウィリー症候群
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — レット症候群
レット症候群は正常な発達段階を経た後(生後6~18ヶ月)、言語・運動機能が進行性に喪失する典型的な進行性疾患です。MECP2遺伝子変異による神経変性疾患であり、他の選択肢はいずれも非進行性の発達障害です。
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【各選択肢の解説】
1. ダウン症候群
❌ 誤り。染色体異常(21トリソミー)による先天性疾患で、言語発達遅滞を認めますが進行性ではありません。周囲の支援により言語機能は改善傾向を示します。
2. レット症候群
✅ 正しい。MECP2遺伝子変異によるX連鎖神経変性疾患です。生後6~18ヶ月の正常発達後、言語・運動・認知機能が進行性に低下し、常同的手運動(手もみ動作)が特徴的です。予後不良。
3. 脆弱X症候群
❌ 誤り。FMR1遺伝子変異によるX連鎖知的障害で、言語発達遅滞がありますが進行性ではありません。大きな耳・高い口蓋・関節の過伸展が特徴です。
4. ターナー症候群
❌ 誤り。45,Xの染色体異常(女性のみ)で、言語発達遅滞は軽微~中等度に留まり、進行性ではありません。低身長・卵巣形成不全が主症状です。
5. プラダー・ウィリー症候群
❌ 誤り。父由来15番染色体の欠失による先天性疾患で、言語発達遅滞がありますが進行性ではありません。過食傾向・肥満が代表的です。
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【試験対策ポイント】
発達障害における進行性疾患と非進行性の区別
| 疾患 | 進行性 | 発症時期 | 言語症状 | 予後 |
|---|:---:|---|---|---|
| レット症候群 | ◎ | 6~18ヶ月後 | 獲得後の進行性喪失 | 不良 |
| ダウン症候群 | ✗ | 出生時から | 遅滞(改善可能) | 相対的改善 |
| 脆弱X症候群 | ✗ | 幼児期から | 遅滞 | 安定 |
| ターナー症候群 | ✗ | 出生時から | 軽微~中等度 | 安定 |
| プラダー・ウィリー | ✗ | 出生時から | 遅滞 | 安定 |
重要否定知識
- 「染色体異常」は進行性ではない(ダウン・ターナー・プラダー・ウィリー)
- 脆弱X症候群は「遅滞」だが「進行」ではない
- レット症候群が唯一の「神経変性(退行性)」疾患
レット症候群の4期
- 第1期(0~6ヶ月):相対的正常発達
- 第2期(6~18ヶ月):急速な退行(言語・運動喪失)
- 第3期(2~10歳):假似安定期
- 第4期(10歳以降):後期運動機能悪化