第15回 言語聴覚士国家試験 第165問
言語発達障害学第15回
特異的言語発達障害について正しいのはどれか。
- 1.DSM-IV-TRではコミュニケーション障害に相当する。 ✓
- 2.文法(統語)の障害はない。
- 3.言語理解の障害が表出より重い。
- 4.軽度知的障害を伴う。
- 5.読み書き習得の遅れはない。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — DSM-IV-TRではコミュニケーション障害に相当する。
特異的言語発達障害(Specific Language Impairment, SLI)は、聴覚や認知機能に大きな問題がないにもかかわらず、言語発達のみが遅れている状態です。DSM-IV-TRの診断体系では、このような状態を「コミュニケーション障害」のカテゴリーに分類します。この定義が国際的な診断基準における正式な位置づけであり、試験頻出の重要知識です。
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【各選択肢の解説】
1. DSM-IV-TRではコミュニケーション障害に相当する。
✅ 正しい。DSM-IV-TRは特異的言語発達障害を「コミュニケーション障害」として分類しており、これは国際的な診断基準における標準的な位置づけです。
2. 文法(統語)の障害はない。
❌ 誤り。特異的言語発達障害の特徴的な症状が文法・統語障害です。助詞の脱落、時制の誤用、複雑な文構造の習得遅延が顕著に見られます。むしろ文法障害が診断の主要な指標となります。
3. 言語理解の障害が表出より重い。
❌ 誤り。特異的言語発達障害は表出言語の障害が主体です。理解は相対的に良好(またはより良好)であることが多く、理解が表出より重度になることは典型的ではありません。
4. 軽度知的障害を伴う。
❌ 誤り。特異的言語発達障害の定義では「知的障害を伴わない」ことが診断基準です。聴力、非言語性IQ、認知機能は正常範囲であり、言語発達のみが選択的に遅延していることが必須条件です。
5. 読み書き習得の遅れはない。
❌ 誤り。特異的言語発達障害を持つ児童は読み書き習得の遅れを伴うことが多いです。音韻認識の困難が基底にあるため、音韻ベースの読字・書字習得が困難になりやすく、二次的な学習障害のリスクが高まります。
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【試験対策ポイント】
特異的言語発達障害(SLI)の定義と診断基準
| 項目 | 特異的言語発達障害 |
|---|---|
| **知能水準** | 正常(IQ 85以上が多い) |
| **聴力** | 正常 |
| **神経学的所見** | なし |
| **表出言語** | 遅延・障害あり |
| **理解言語** | 比較的良好(相対的に表出より優位) |
| **文法・統語** | 障害あり(助詞脱落・時制誤用) |
| **語彙** | 遅延傾向 |
| **音韻** | 障害あり |
| **読み書き** | 遅延することが多い |
頻出!SLIの「含まれない」知識
- 知的障害を伴わない
- 聴覚障害がない
- 器質的神経障害がない
- 自閉症スペクトラム障害ではない
診断における除外基準
- 知的障害IQ 70以下は除外
- 周囲の言語モデル不足(養育環境の問題)は除外
- 聴覚障害の二次的言語障害は除外
SLI児の高リスク特性
- 音韻処理困難→読み書き習得困難
- 文法理解の脆弱性→学習支援が必須
- 社会性発達への二次的影響の可能性