STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第166問

小児科学第15回
9ヶ月の定型発達児にみられる行動で誤っているのはどれか。
  1. 1.腹ばいで後ろに進む。
  2. 2.両手で持ったコップを口に持っていく。
  3. 3.母親が見ている物を見る。
  4. 4.「バイバイ」を理解する。
  5. 5.喃語が始まる。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 喃語が始まる。 喃語は生後4〜6ヶ月に始まる行動です。9ヶ月児は既に喃語段階を過ぎており、有意味語や模倣音が出現する時期です。「喃語が始まる」という表現は9ヶ月児には当てはまりません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 腹ばいで後ろに進む。 ✅ 正しい。9ヶ月児は腹ばい這いが完成に近づき、後ろに進む這い動作も観察されます。この時期は前進這いが主流ですが、後進も出現する正常範囲の行動です。 2. 両手で持ったコップを口に持っていく。 ✅ 正しい。9ヶ月児は両手協調動作が発達し、自分で持ったものを口に運ぶ能力があります。手指の器用さと視覚-運動協調が発達したことを示す重要な行動です。 3. 母親が見ている物を見る。 ✅ 正しい。共同注意(joint attention)は9ヶ月児に見られる重要な認知発達です。母親の視線に従って同じ物を見る行動は社会的相互作用の発達を示します。 4. 「バイバイ」を理解する。 ✅ 正しい。9ヶ月児は簡単な命令語や社会的ジェスチャーを理解し始めます。「バイバイ」などの身振り言語の理解は言語発達の初期段階です。 5. 喃語が始まる。 ❌ 誤り。喃語(ma-ma-ma、ba-ba-baなど)の開始は生後4〜6ヶ月です。9ヶ月児は既に喃語を経過し、有意味語が出現する段階にあります。この選択肢の「喃語が始まる」は時期が誤りです。 --- 【試験対策ポイント】 |月齢|音声発達段階|典型的発話行動| |---|---|---| |3ヶ月|クーイング|単音「あー」「おー」| |4〜6ヶ月|喃語開始期|反復音「ばぶぶぶ」「ままま」| |6〜9ヶ月|喃語成熟期|複合喃語「ママママ」| |9〜12ヶ月|有意味語準備期|模倣音・初語前| |12ヶ月|初語出現|「ママ」「ワンワン」など| キーワード: - 喃語の開始:生後4〜6ヶ月が定義的時期 - 9ヶ月の言語発達:理解語>表出語。有意味語はまだ出現時期の個人差あり - 共同注意の出現:8〜9ヶ月は社会認知発達の重要マイルストーン - 運動発達:9ヶ月は定位這い完成段階 この問題の引っかかりやすいポイント:喃語は「正常発達」のマーカーであるため、一見すべての記述が正しく見えます。しかし「9ヶ月時点で喃語が始まる」という時間軸の誤りを見抜く必要があります。
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