STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第167問

言語発達障害学第15回
誤っている組み合せはどれか。
  1. 1.サリー・アン課題 ― 心の理論
  2. 2.Wisconsin Card Sorting Test ― 前頭葉機能
  3. 3.Modified Checklist for Autism in Toddlers(M-CHAT) ― コミュニケーション
  4. 4.太田ステージ ― 表象水準
  5. 5.日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査(JMAP)― 構 文 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査(JMAP)―構文 JMAPは「音韻」「語彙」「文法」「理解」などの言語領域を測定する検査ですが、特に「構文(統語構造の産出)」を直接的に測定する検査ではありません。実際にはJMAPは音韻能力や初語の出現などより基礎的な言語発達段階を評価するスクリーニング検査です。 --- 【各選択肢の解説】 1. サリー・アン課題―心の理論 ✅ 正しい。サリー・アン課題は心の理論(他者の信念や視点の理解)を評価する古典的な課題で、自閉スペクトラム症の診断補助に広く使用されています。 2. Wisconsin Card Sorting Test―前頭葉機能 ✅ 正しい。WCSCTは実行機能(set-shifting:概念の切り替え能力)を測定し、特に前頭葉機能の評価に標準的に用いられる検査です。 3. Modified Checklist for Autism in Toddlers(M-CHAT)―コミュニケーション ✅ 正しい。M-CHATは18~24ヶ月の幼児を対象とした自閉症スクリーニング検査であり、共同注意やジェスチャーなどのコミュニケーション行動を評価します。 4. 太田ステージ―表象水準 ✅ 正しい。太田ステージは認知発達段階を「感覚運動水準」「前操作水準」「具体的操作水準」「形式的操作水準」に分類し、表象水準(シンボル操作能力)を評価する発達理論です。 5. 日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査(JMAP)―構文 ❌ 誤り。JMAPは主に「音韻」「語彙」「文法」領域を評価しますが、構文(特に複文や複雑な統語構造の産出)を主眼とした検査ではなく、より初期の言語発達段階(語彙や初語出現時期など)をスクリーニングする目的の検査です。 --- 【試験対策ポイント】 各検査・理論の正式な測定領域を確実に押さえることが必須: | 検査名・理論名 | 評価領域 | 用途 | |---|---|---| | サリー・アン課題 | 心の理論(他者視点理解) | 自閉症スクリーニング補助 | | WCST | 前頭葉機能(実行機能) | 神経心理学的評価 | | M-CHAT | コミュニケーション行動 | 自閉症スクリーニング(18-24mo) | | 太田ステージ | 認知発達段階(表象水準含む) | 発達理論・評価枠組み | | JMAP | 音韻・語彙・文法(初期段階) | 言語発達スクリーニング | 紛らわしいポイント:JMAPは「文法」を測定することは確認できますが、「構文」(複雑な統語構造の産出能力)に限定されるものではありません。スクリーニング検査の性質上、より包括的で初期の言語領域を評価対象としています。
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