第15回 言語聴覚士国家試験 第171問
言語発達障害学第15回
小学校5年生の男児。発達性ディスレキシア(発達性読み書き障害)の指導で適切でないのはどれか。
- 1.手書き認識可能なワープロソフトを用いる。
- 2.筆順を事前に示し、模写する。
- 3.学年相応の漢字を練習する。 ✓
- 4.興味のある分野について読む。
- 5.音読して聞かせ、意味内容を把握してから自分で読む。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 学年相応の漢字を練習する
発達性ディスレキシアの児童には、現在の実行機能レベルに合わせた段階的な学習が必要です。学年相応の漢字を強制的に練習させると、失敗経験が増加し、学習意欲の低下や自己肯定感の喪失につながるため、適切ではありません。むしろ児童の習得レベルより段階的に進める配慮が求められます。
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【各選択肢の解説】
1. 手書き認識可能なワープロソフトを用いる。
✅ 正しい。手書き入力対応のワープロソフトは、ディスレキシアのある児童の作文表出を支援し、読み書きの負担を軽減する代替手段として有効な補助工具です。
2. 筆順を事前に示し、模写する。
✅ 正しい。筆順を視覚的に事前提示することで、文字形成の認知負荷を軽減し、系統的な文字学習につながります。模写は段階的習得に適した方法です。
3. 学年相応の漢字を練習する。
❌ 誤り。ディスレキシアの児童に学年相応の漢字を一律に強要することは、実行機能と習得レベルの乖離を生じさせ、学習意欲喪失につながります。児童の現在の習得段階から段階的に進める配慮が必須です。
4. 興味のある分野について読む。
✅ 正しい。興味・関心に基づいた読書は、内発的動機付けを高め、読む喜びを経験させることができます。ディスレキシアのある児童の読書嫌悪を予防する重要な支援戦略です。
5. 音読して聞かせ、意味内容を把握してから自分で読む。
✅ 正しい。聴覚的フィードバックと意味理解の事前獲得により、児童の読解負荷を軽減し、段階的読字能力の発達を促します。マルチセンソリーアプローチとして有効です。
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【試験対策ポイント】
発達性ディスレキシアの指導原則
| 適切な指導戦略 | 根拠・効果 |
|---|---|
| 児童の実行機能レベルに合わせた段階的学習 | 失敗経験を減らし、学習意欲を保持 |
| 視覚的補助(筆順提示・図解) | 認知負荷軽減、処理能力サポート |
| マルチセンソリーアプローチ(聴覚・視覚併用) | 複数感覚経路で情報定着 |
| 興味関心に基づく教材選定 | 内発的動機付けの維持 |
| 補助工具の活用(ワープロ・音声ソフト) | 実用的コミュニケーション支援 |
| ❌ 学年相応の無差別強制学習 | 自己肯定感低下、回避行動増加 |
キーワード:「適応」「段階的」「代替手段」「実行機能レベル」が解説に含まれる選択肢は支援的。「学年相応」「統一」は注意。