STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第178問

機能性構音障害第15回
3歳児がカバンを[tabaɴ]と発音したときの誤り方はどれか。
  1. 1.省略
  2. 2.歪み
  3. 3.構音位置の誤り ✓
  4. 4.構音方法の誤り
  5. 5.音節配列の誤り

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 構音位置の誤り 3歳児が「カバン」を[tabaɴ]と発音しているのは、「カ」音の構音位置がずれている誤りです。「カ」は本来「軟口蓋音」(奥舌を軟口蓋に接触させて産生)ですが、[ta]は「歯茎音」(舌尖を歯茎に接触させて産生)となっており、構音位置の前方ずれが生じています。構音方法(破裂音)と音声特性(無声音)は正しいため、位置の誤りに分類されます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 省略 ❌ 誤り。省略は「カバン」→「バン」のように音が完全に消失する場合です。本問では「カ」に相当する音が[ta]として産生されており、音が消えていません。 2. 歪み ❌ 誤り。歪みは「サ」を[θa](舌間歯音)と発音するなど、構音位置・方法いずれにも該当しない異なった音が産生される場合です。本問は構音位置の前方ずれとして明確に分類できるため、歪みではありません。 3. 構音位置の誤り ✅ 正しい。「カ」(軟口蓋音[ka])が「タ」(歯茎音[ta])に置換されており、構音位置が後方から前方へずれています。これは典型的な構音位置の誤りです。 4. 構音方法の誤り ❌ 誤り。「カ」も「タ」も破裂音(閉鎖と急速な開放による音)であり、構音方法は変わっていません。方法の誤りは「タ」→「サ」(破裂音→摩擦音)のような場合に該当します。 5. 音節配列の誤り ❌ 誤り。音節配列の誤りは「カバン」→「バンカ」のように音節の順序が入れ替わる場合です。本問では3音節の順序は保たれており、該当しません。 --- 【試験対策ポイント】 構音誤りの5分類(置換の場合の見分け方) | 誤りの種類 | 判断のキー | 該当例 | |---|---|---| | **構音位置の誤り** | 位置のみずれ(方法・声帯振動は同じ) | カ→タ(軟口蓋→歯茎) | | **構音方法の誤り** | 方法のみ変化(位置は同じ) | タ→サ(破裂→摩擦) | | **構音位置・方法の誤り** | 位置と方法の両方が変化 | カ→サ(軟口蓋破裂→歯茎摩擦) | | **省略** | 音が完全に消失 | カバン→バン | | **歪み** | 構音位置・方法いずれでも分類できない異音 | サ→[θa](舌間歯音) | | **音節配列の誤り** | 音節の順序が入れ替わる | カバン→バンカ | 幼児期の典型的な置換 - 「カ」「ガ」→「タ」「ダ」(軟口蓋音が歯茎音へ前方ずれ):3歳頃の一般的誤り - 「サ」「ザ」→「タ」「ダ」(歯茎摩擦が破裂へ) - 「ラ」→「ヤ」「ダ」(流音の置換)
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