第15回 言語聴覚士国家試験 第180問
器質性構音障害第15回
構音障害の原因とならないのはどれか。
- 1.開口障害
- 2.軟口蓋麻痺
- 3.舌神経麻痺 ✓
- 4.巨舌症
- 5.粘膜下口蓋裂
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 舌神経麻痺
舌神経は舌前2/3の味覚と舌下腺・顎下腺の分泌をつかさどる感覚神経であり、舌の運動を支配しません。構音に必要な舌の運動機能には影響を与えないため、構音障害の原因となりません。
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【各選択肢の解説】
1. 開口障害
✅ 構音障害の原因となります。開口が制限されると、特に/a/や/o/などの開口を要する母音や、舌が口腔内で活動する必要のある子音(/t/、/d/など)の構成が困難になります。
2. 軟口蓋麻痺
✅ 構音障害の原因となります。軟口蓋の運動麻痺により、鼻咽頭閉鎖不全が生じ、鼻音化(開鼻声)が起こります。/k/、/g/などの口蓋音の構成も困難になります。
3. 舌神経麻痺
❌ 構音障害の原因となりません。舌神経は味覚神経であり、舌の運動は舌下神経(XII)が支配しています。味覚喪失は構音に直接影響を与えません。
4. 巨舌症
✅ 構音障害の原因となります。舌が肥大すると口腔内のスペースが限定され、舌の微細な運動が制限されるため、正確な構音が困難になります。特に舌先音/t/、/d/、/l/などが影響を受けます。
5. 粘膜下口蓋裂
✅ 構音障害の原因となります。粘膜下であっても軟口蓋筋の連続性が失われているため、鼻咽頭閉鎖が不完全となり、開鼻声などの構音障害を生じます。
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【試験対策ポイント】
脳神経と舌機能の整理:
| 脳神経 | 機能 | 構音への関与 |
|---|---|---|
| 舌神経(V-3分枝) | 舌前2/3味覚・口腔底分泌 | なし |
| 舌咽神経(IX) | 舌後1/3味覚・咽頭運動 | あり(咽頭音) |
| 舌下神経(XII) | 舌運動 | あり(最重要) |
構音に影響する口腔構造異常:
- 開口障害:開口量の制限 → 母音・舌活動音に支障
- 軟口蓋麻痺:鼻咽頭閉鎖不全 → 開鼻声(鼻音化)
- 巨舌症:舌の肥大 → 舌の可動域低下
- 粘膜下口蓋裂:見た目では分からない → 機能的には開鼻声生じる
重要な否定知識:感覚障害単独では構音障害にならない。舌神経麻痺で味覚が喪失しても、舌下神経による運動は保たれるため構音は維持される。