第15回 言語聴覚士国家試験 第182問
運動障害性構音障害第15回
正しい組み合せはどれか。
- 1.失調性構音障害 ― 不随意運動
- 2.痙性構音障害 ― ジスキネジア
- 3.弛緩性構音障害 ― 企図振戦
- 4.運動過多性構音障害 ― 筋緊張亢進
- 5.運動低下性構音障害 ― 運動開始困難 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 運動低下性構音障害 ― 運動開始困難
運動低下性構音障害はパーキンソン病など錐体外路系の障害が原因であり、運動開始困難(寡動)は錐体外路障害の特徴的な症状です。神経病理学的根拠と臨床症状が正確に対応しており、他の選択肢は解剖学的根拠が矛盾しています。
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【各選択肢の解説】
1. 失調性構音障害 ― 不随意運動
❌ 誤り。失調性構音障害の原因は小脳障害であり、その特徴的症状は不随意運動ではなく「協調運動障害」です。不随意運動は変化性ジスキネジア(舞踏病運動など)の特徴で、運動過多性構音障害に対応します。
2. 痙性構音障害 ― ジスキネジア
❌ 誤り。痙性構音障害は両側錐体路障害(偽性球麻痺)が原因であり、特徴は「筋緊張亢進」です。ジスキネジア(不随意異常運動)は錐体外路系の障害を示す症状であり、痙性障害とは異なります。
3. 弛緩性構音障害 ― 企図振戦
❌ 誤り。弛緩性構音障害は下位運動ニューロン障害(球麻痺)が原因であり、特徴は「筋力低下・筋萎縮」です。企図振戦(動作時に出現する振戦)は小脳障害の症状であり、失調性構音障害に対応します。
4. 運動過多性構音障害 ― 筋緊張亢進
❌ 誤り。運動過多性構音障害は不随意異常運動(ジスキネジア・振戦など)が原因であり、特徴は「筋緊張亢進」ではなく「異常な筋活動パターン」です。筋緊張亢進は痙性構音障害に対応します。
5. 運動低下性構音障害 ― 運動開始困難
✅ 正しい。運動低下性構音障害はパーキンソン病など錐体外路系障害が原因であり、運動開始困難(寡動・動作緩慢)は錐体外路系の代表的神経学的サイン。音声・構音の特徴として加速現象・音量減少・単調化が生じます。
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【試験対策ポイント】
Mayo分類と神経解剖学的基礎の対応表
| 構音障害型 | 原因部位 | 神経学的特徴 | 音声・構音特徴 |
|---|---|---|---|
| 痙性 | 両側錐体路 | 筋緊張亢進・反射亢進 | 努力性嗄声・つっかかり |
| 弛緩性 | 下位運動ニューロン | 筋力低下・筋萎縮 | 開鼻声・気息性嗄声 |
| 失調性 | 小脳 | 協調運動障害・企図振戦 | 断綴性発話・スキャニングスピーチ |
| 運動過多性 | 錐体外路(不随意運動系) | 不随意異常運動 | 音量・ピッチ変動・リズム乱れ |
| 運動低下性 | 錐体外路(基底核) | 寡動・運動開始困難 | 加速現象・音量減少・単調 |
| 混合性 | 複数部位 | 複数の神経学的サインの組み合わせ | 複数の特徴が混在 |
頻出の誤り易いポイント
- ジスキネジア・振戦=運動過多性(不随意異常運動)。痙性ではない
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