第15回 言語聴覚士国家試験 第183問
器質性構音障害第15回
口蓋裂術後の鼻咽腔閉鎖不全に対する治療として誤っているのはどれか。
- 1.リー・シルバーマン法 ✓
- 2.口腔内圧を高める訓練
- 3.咽頭弁形成術
- 4.発音補助装置の装着
- 5.ブローイング訓練
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — リー・シルバーマン法
リー・シルバーマン法(LSVT)は、パーキンソン病による運動低下性構音障害の音量改善を目的とした訓練法です。鼻咽腔閉鎖不全による開鼻声の改善には直結しない治療法であり、適応が異なります。
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【各選択肢の解説】
1. リー・シルバーマン法
❌ 誤り。LSVTはパーキンソン病などの運動低下性構音障害に対する大きな音声出力訓練法で、音量と音質改善を目的としています。鼻咽腔閉鎖不全そのものを改善する治療法ではなく、口蓋裂術後の開鼻声対策として適応外です。
2. 口腔内圧を高める訓練
✅ 正しい。開鼻声を軽減するため、口腔内の空気圧を高めて鼻腔への漏出を減らす訓練です。破裂音や摩擦音の産生時に有効で、鼻咽腔閉鎖不全の標準的な音声治療アプローチです。
3. 咽頭弁形成術
✅ 正しい。鼻咽腔の物理的閉鎖を目的とした手術的治療です。軟口蓋の挙上機能が不十分な場合、咽頭後壁からの弁によって開鼻声を改善します。術後言語訓練と併用されます。
4. 発音補助装置の装着
✅ 正しい。口蓋義歯や口腔内装置によって人工的に鼻咽腔を閉鎖する補償的治療法です。鼻腔への漏出音の発生を物理的に防ぎます。
5. ブローイング訓練
✅ 正しい。軟口蓋や咽頭側壁の随意的挙上能力を強化する訓練法です。風船膨らましや息吹き出し訓練により、鼻咽腔閉鎖機能を改善できます。
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【試験対策ポイント】
鼻咽腔閉鎖不全の治療アプローチ(3層構造)
| 治療レベル | 具体例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 手術的治療 | 咽頭弁形成術・軟口蓋形成 | 根本的改善、準備として必要 |
| 装置的治療 | 発音補助装置・口蓋義歯 | 即時的、調整可能 |
| 訓練的治療 | ブローイング・口腔内圧訓練 | 筋機能強化、長期改善 |
キーワード:リー・シルバーマン法の適応
- LSVT(Lee Silverman Voice Treatment):音量治療
- 適応疾患:パーキンソン病、ALS、脳性麻痺の運動低下性構音障害
- 目的:第一共鳴峰(F1)上昇による音量改善
- 口蓋裂術後の開鼻声には無関係
- 混同しやすい:「訓練」=「音声治療」という誤認
鼻咽腔閉鎖不全の開鼻声対策では「閉鎖機能の回復」が中心で、LSVTのような「音響特性改善」は副次的です。