第15回 言語聴覚士国家試験 第184問
臨床神経学第15回
ワレンベルグ症候群でみられないのはどれか。
- 1.複視 ✓
- 2.嗄声
- 3.めまい
- 4.嚥下障害
- 5.解離性感覚障害
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 複視
ワレンベルグ症候群は延髄外側梗塞による症候群で、脳神経Ⅴ・Ⅸ・Ⅹ・Ⅺ、脊髄視床路、小脳などが障害されます。複視は両眼球運動を制御する脳幹部(中脳・橋)の病変で生じるため、延髄病変のワレンベルグ症候群では出現しません。
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【各選択肢の解説】
1. 複視
❌ 誤り。複視は眼球運動を支配する脳幹部の中脳・橋レベルの病変で生じます。ワレンベルグ症候群は延髄外側梗塞であり、眼球運動神経(Ⅲ・Ⅳ・Ⅵ)は障害されないため複視はみられません。
2. 嗄声
✅ 正しい。迷走神経(Ⅹ脳神経)が障害され、反回神経麻痺(一側性)が生じます。これにより声帯麻痺が起こり嗄声が出現します。
3. めまい
✅ 正しい。下部小脳の小脳綬の梗塞に伴う小脳障害、および前庭脊髄路や脊髄小脳路の障害により、重度のめまいが特徴的に出現します。
4. 嚥下障害
✅ 正しい。迷走神経(Ⅹ)と舌咽神経(Ⅸ)の障害により咽頭期の嚥下障害が生じます。咽頭咨反射低下も特徴的です。
5. 解離性感覚障害
✅ 正しい。脊髄視床路(特に脊髄側索の三叉脊髄路)の障害により、顔面に温度覚・痛覚の解離性感覚障害(下行性三叉脊髄路障害)が生じます。これは同側顔面のみです。
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【試験対策ポイント】
ワレンベルグ症候群の標準的症状と病変部位:
| 症状 | 障害神経経路 |
|---|---|
| 嗄声・嚥下障害 | Ⅸ・Ⅹ脳神経 |
| 解離性感覚障害(同側顔面) | 下行性三叉脊髄路 |
| 同側Horner症候群 | 頸髄の交感神経線維 |
| めまい | 前庭脊髄路・小脳障害 |
| 反対側体幹四肢の温度覚障害 | 脊髄視床路 |
複視が出現する脳幹梗塞:
- 中脳梗塞:動眼神経(Ⅲ)麻痺
- 橋梗塞:外転神経(Ⅵ)麻痺、動眼神経麻痺
- 延髄梗塞(ワレンベルグ):複視なし ← 重要
延髄梗塞の記憶ポイント:「嗄声・嚥下障害・眩暈・同側顔面感覚障害」を4点セットで覚える