第15回 言語聴覚士国家試験 第186問
嚥下障害第15回
食物を用いて行う嚥下訓練はどれか。
- 1.バルーン拡張法
- 2.頸部回旋法 ✓
- 3.ブローイング法
- 4.咽頭アイスマッサージ
- 5.頭部拳上訓練
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 頸部回旋法
頸部回旋法は、嚥下時に首を患側と反対方向に回旋させる訓練であり、食物を用いた機能的嚥下訓練です。頭部を患側と反対に向けることで、咽頭内での食塊の流れを健側に誘導し、麻痺側への流入を防ぐ。これは実際の嚥下動作(食物使用)に基づいた訓練として位置づけられます。
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【各選択肢の解説】
1. バルーン拡張法
❌ 誤り。食物を用いない訓練です。咽頭部にバルーンを留置し、側壁の収縮を促す非機能的訓練であり、感覚刺激による筋活動の促進が目的です。
2. 頸部回旋法
✅ 正しい。食物を用いた機能的嚥下訓練です。嚥下時に頭部を患側と反対方向に回旋させ、咽頭内での食塊移送を健側に誘導する実践的訓練法です。
3. ブローイング法
❌ 誤り。食物を用いない訓練です。呼気を利用して口腔・咽頭周囲筋の筋力強化を目的とした間接訓練であり、嚥下動作そのものではありません。
4. 咽頭アイスマッサージ
❌ 誤り。食物を用いない訓練です。冷刺激により咽頭感覚を促進し、嚥下反射を容易にする感覚刺激法で、食物を介さない準備的訓練です。
5. 頭部拳上訓練
❌ 誤り。食物を用いない訓練です。頸部屈曲位での仰臥位運動により、喉頭前方移動と気道保護を促す筋力強化訓練で、間接訓練に分類されます。
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【試験対策ポイント】
嚥下訓練の分類(食物使用の有無)
| 分類 | 訓練法 | 内容 | 食物使用 |
|---|---|---|---|
| 直接訓練 | 頸部回旋法 | 嚥下時の頭位操作 | ◎ あり |
| 直接訓練 | 通常の食事摂取 | 嚥下動作そのもの | ◎ あり |
| 間接訓練 | ブローイング法 | 呼気を利用した筋力強化 | × なし |
| 間接訓練 | 頭部拳上訓練 | 頸部屈曲位での運動 | × なし |
| 間接訓練 | バルーン拡張法 | 側壁収縮促進 | × なし |
| 感覚刺激法 | 咽頭アイスマッサージ | 冷刺激による反射誘発 | × なし |
頻出ポイント:
- 「機能的訓練=食物使用」が基本概念
- 頸部回旋法は「患側と反対方向に回旋」←「同側に回旋」は誤り
- バルーン拡張法は「咽頭側壁」への刺激(梨状窩への流入防止)