STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第187問

嚥下障害第15回
嚥下反射の惹起遅延に対し冷圧刺激を与える部位はどこか。
  1. 1.前口蓋弓 ✓
  2. 2.口腔前庭
  3. 3.硬口蓋
  4. 4.喉頭室
  5. 5.喉頭蓋谷

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 前口蓋弓 冷圧刺激による嚥下反射誘発は、前口蓋弓(前腸口蓋弓)に対して行われます。この部位への冷覚刺激が三叉神経と舌咽神経を刺激し、嚥下反射の中枢に入力され、反射の惹起遅延を改善させるとされています。嚥下反射誘発の古典的な治療手技として広く臨床応用されています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 前口蓋弓 ✅ 正しい。前口蓋弓は舌と軟口蓋の間にある解剖学的構造で、三叉神経(V)と舌咽神経(IX)が分布します。ここへの冷圧刺激が嚥下反射を誘発させる最適な部位です。反射惹起遅延に対する標準的な刺激部位として認識されています。 2. 口腔前庭 ❌ 誤り。口腔前庭(上下唇と歯肉の間の隙間)は感覚受容が存在しますが、嚥下反射誘発に対する特異的な役割は持ちません。冷圧刺激の効果は前口蓋弓と比べて低く、推奨されません。 3. 硬口蓋 ❌ 誤り。硬口蓋への冷圧刺激は味覚や一般感覚を刺激しますが、嚥下反射の誘発効果は低いです。嚥下反射に関連する神経支配が前口蓋弓ほど密集していません。 4. 喉頭室 ❌ 誤り。喉頭室は下咽頭部の解剖学的部位ですが、冷圧刺激を安全かつ直接的に加えることが困難です。また嚥下反射誘発の標準的刺激部位ではありません。 5. 喉頭蓋谷 ❌ 誤り。喉頭蓋谷は咽頭期嚥下に関連する部位ですが、反射惹起遅延の改善に対する冷圧刺激部位としては適切ではありません。安全面でもアプローチが困難です。 --- 【試験対策ポイント】 嚥下反射誘発の冷圧刺激部位(重要) | 刺激部位 | 神経支配 | 効果 | 臨床応用 | |---|---|---|---| | 前口蓋弓 | 三叉神経V・舌咽神経IX | 高い | 反射惹起遅延の改善 | | 硬口蓋 | 三叉神経V | 低い | 補助的 | | 口腔前庭 | 三叉神経V | 低い | 非推奨 | | 喉頭蓋 | 舌咽神経IX | 低い | 実用的でない | 頻出ポイント: • 前口蓋弓は「最もアクセスしやすく、反射誘発効果が最も高い部位」として出題される傾向 • 冷圧刺激の原理:冷覚受容器の刺激→求心性信号→嚥下中枢への促通→反射惹起遅延の改善 • 嚥下反射の誘発手技の中では古い方法だが、ST国試では頻出 • 他の療法法(ロジャー・ストレッチング嚥下など)と混同しないこと
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