STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第188問

吃音第15回
小児の吃音への対応について適切なのはどれか。
  1. 1.きょうだいで競って話をするように勧める。
  2. 2.吃ったら本人の代わりにすぐに言う。
  3. 3.苦手な言葉の言い換えを推奨する。
  4. 4.構音障害の合併例でも構音訓練を実施しない。
  5. 5.低学年児でも吃音についての正しい理解を促す。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 低学年児でも吃音についての正しい理解を促す。 吃音児の心理的サポートとして、本人が吃音をポジティブに捉え、自己認識の改善を促すことは重要です。低学年児であっても、年齢相応の説明で「吃音は病気ではなく、多くの人が経験する現象であり、工夫次第で対処できる」という正しい理解を与えることで、二次的な心理障害(回避行動・対人回避)の予防につながります。 --- 【各選択肢の解説】 1. きょうだいで競って話をするように勧める。 ❌ 誤り。競争的・急かされる環境は吃音の悪化因子です。吃音児は「話を急かされる」「評価される」場面で吃音症状が増悪するため、ゆったりした家庭環境の構築が推奨されます。むしろ「競わない」「急かさない」対応が原則です。 2. 吃ったら本人の代わりにすぐに言う。 ❌ 誤り。代弁は本人の「自分で話す機会」を奪い、自信喪失や話への回避につながります。正しい対応は「最後まで聞く」「話し終わるまで待つ」です。こうした親の対応が吃音児の心理的安定に直結します。 3. 苦手な言葉の言い換えを推奨する。 ❌ 誤り。言い換え推奨は、本人の「特定の言葉を避ける」という回避行動を強化し、吃音を固定化させます。むしろ不安な言葉に対して、繰り返し挑戦する環境が必要です。「言い換えれば楽」という学習は長期的に有害です。 4. 構音障害の合併例でも構音訓練を実施しない。 ❌ 誤り。吃音と構音障害は別の障害です。合併した場合、構音訓練は必ず実施する必要があります。ただし訓練時は「吃音症状を悪化させない配慮」(急かさない、圧力をかけない)が必要です。 5. 低学年児でも吃音についての正しい理解を促す。 ✅ 正しい。吃音児への心理教育は予防的効果が高く、年齢が低いほど効果的です。「吃音は多くの人が一時的に経験する」「完璧な話し方は不要」といった正規化(normalizing)により、吃音に対する恥ずかしさや焦燥感を軽減し、二次障害を防ぎます。 --- 【試験対策ポイント】 親・学校の対応(✅正しい)と(❌間違い)の比較: | 対応内容 | 効果 | 理由 | |---|---|---| | 最後まで聞く・話を急かさない | ✅ | 安定した環境が吃音改善を促進 | | 代弁する・割り込む | ❌ | 回避行動・自信喪失を招く | | 言い換え・別の言葉を使う | ❌ | 回避戦略の強化→吃音固定化 | | 正しい理解を与える | ✅ | 二次的心理障害の予防 | | 競争・急かす環境 | ❌ | 症状の悪化因子 | | 構音障害も同時に訓練する | ✅ | 別障害は並行治療が必須 | キーワード: - 吃音への対応は「心理教育」と「環境調整」が主眼 - 「代弁厳禁」「急かさない」「回避させない」が三大原則 - 低学年児でも理解可能な説明で正規化を図る - 合併障害には適切な訓練を継続する
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