第15回 言語聴覚士国家試験 第189問
聴力検査第15回
聴性誘発反応について正しいのはどれか。
- 1.蝸電図は内耳と蝸牛神経由来の反応である。 ✓
- 2.聴性脳幹反応ではトーンバーストは用いない。
- 3.性脳幹反応では反応の加算平均回数は20〜50回である。
- 4.聴性定常反応は周波数特異性が低い。
- 5.聴性定常反応は睡眠下でなければ成立しない。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 蝸電図は内耳と蝸牛神経由来の反応である。
蝸電図は耳内に挿入した電極で、コルチ器(内耳)からの直流電位変化と蝸牛神経活動電位を同時に記録する検査です。内耳の有毛細胞機能と蝸牛神経の伝導能を評価する重要な検査法として、他の聴性誘発反応と区別されます。
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【各選択肢の解説】
1. 蝸電図は内耳と蝸牛神経由来の反応である。
✅ 正しい。蝸電図は耳内電極を用い、コルチ器の直流電位(CM:蝸牛マイクロフォン電位)と蝸牛神経活動電位(AP)を記録します。内耳と神経の両方の電気活動を反映する唯一の検査です。
2. 聴性脳幹反応ではトーンバーストは用いない。
❌ 誤り。聴性脳幹反応(ABR)では、クリック音の他にトーンバーストも使用されます。周波数別ABRの評価が可能になり、特に低周波数域の反応が得られやすくなります。
3. 聴性脳幹反応では反応の加算平均回数は20〜50回である。
❌ 誤り。ABRの加算平均回数は一般的に1000〜2000回(場合によっては4000回以上)です。20〜50回では S/N比が不十分で確実な反応判定ができません。
4. 聴性定常反応は周波数特異性が低い。
❌ 誤り。聴性定常反応(ASSR)は周波数特異性が高く、周波数別閾値測定が可能です。これはABRよりも優れた周波数特異性を有しており、特に複数周波数の同時刺激が可能な特徴があります。
5. 聴性定常反応は睡眠下でなければ成立しない。
❌ 誤り。ASSRは覚醒下でも睡眠下でも成立します。小児検査では鎮静下の実施が多いですが、必須ではありません。
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【試験対策ポイント】
聴性誘発反応の分類と特徴
| 検査法 | 記録部位 | 刺激音 | 周波数特異性 | 加算回数 | 睡眠必要性 |
|---|---|---|---|---|---|
| 蝸電図 | 耳内電極 | クリック | 低 | 少ない | 不要 |
| ABR | 頭皮電極 | クリック/トーンバースト | 低/中等 | 1000〜2000回 | 不要 |
| ASSR | 頭皮電極 | 周波数別刺激音 | **高** | 中程度 | 不要 |
| 中潜時反応 | 頭皮電極 | クリック | 低 | 少ない | 覚醒時 |
頻出の誤り知識
- ABRは「クリックだけ」ではない(トーンバースト使用可能)
- ABRの加算回数は「多い」(少ないわけではない)
- ASSRは「周波数特異性が高い」→複数周波数同時測定可能が最大の利点
- 蝸電図は「電極の位置」が異なる(耳内)→他の検査と根本的に異なる
蝸電図の2つの成分
1. CM(蝸牛マイクロフォン電位):直流電位(有毛細胞由来)
2. AP(活動電位):蝸牛神経由来