第15回 言語聴覚士国家試験 第193問
聴力検査第15回
インピーダンスオージオメトリについて誤っているのはどれか。
- 1.耳小骨筋反射路に上オリーブ複合体を含む。
- 2.伝音難聴では耳小骨筋反射が得られる。 ✓
- 3.感音難聴はA型のティンパノグラムになる。
- 4.耳小骨筋反射は主にアブミ骨筋の反射を検出する。
- 5.外耳道入口部の大きさに合わせて耳栓を選択する。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 伝音難聴では耳小骨筋反射が得られる。
伝音難聴では耳小骨筋反射が**得られません**。耳小骨筋反射を検出するためには、音刺激が中耳を通じて内耳に到達し、蝸牛神経→脳幹→顔面神経を経由して耳小骨筋に至る反射弧が正常である必要があります。伝音難聴では中耳の障害により、この経路が阻害されるため反射が消失します。
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【各選択肢の解説】
1. 耳小骨筋反射路に上オリーブ複合体を含む。
✅ 正しい。耳小骨筋反射の反射弧は:音刺激→蝸牛→蝸牛神経→脳幹の上オリーブ複合体(処理中枢)→顔面神経(VII)→アブミ骨筋・ツチ骨筋の収縮。上オリーブ複合体は反射中枢として必須です。
2. 伝音難聴では耳小骨筋反射が得られる。
❌ 誤り。伝音難聴では耳小骨筋反射は**消失**します。中耳の病変(滲出液、耳小骨固着、穿孔など)により、音刺激が内耳に適切に伝わらないため、反射弧が成立しません。これは感音難聴と伝音難聴を鑑別する重要な指標です。
3. 感音難聴はA型のティンパノグラムになる。
✅ 正しい。ティンパノグラムはコンプライアンスを反映します。感音難聴は中耳系が正常なため、A型(正常型)です。一方、伝音難聴では耳小骨の固着(As型)や耳小骨離断(Ad型)などの異常型となります。
4. 耳小骨筋反射は主にアブミ骨筋の反射を検出する。
✅ 正しい。インピーダンスオージオメトリで検出される耳小骨筋反射は、アブミ骨筋(顔面神経支配)の収縮が中心です。ツチ骨筋の寄与は相対的に小さいため、反射検出は主にアブミ骨筋の動きに依存します。
5. 外耳道入口部の大きさに合わせて耳栓を選択する。
✅ 正しい。インピーダンスオージオメトリの耳栓の選択には、外耳道の気積に影響する外耳道入口部の大きさが重要です。適切なサイズ選択は、正確なコンプライアンス測定とティンパノグラム波形の信頼性を確保します。
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【試験対策ポイント】
インピーダンスオージオメトリの3つのパラメータ:
| パラメータ | 測定内容 | 正常値 |
|---|---|---|
| ティンパノグラム(A型) | 中耳の機能性 | コンプライアンス 0.3〜0.9mL |
| 静的コンプライアンス | 耳膜と耳小骨系の可動性 | 0.3〜0.9mL |
| 耳小骨筋反射閾値 | 音圧に対する反射感度 | 正常聴力で 70-100dB SPL |
伝音難聴 vs 感音難聴の鑑別:
| 検査項目 | 伝音難聴 | 感音難聴 |
|---|---|---|
| ティンパノグラム | 異常(As/Ad/B型) | A型(正常) |
| 耳小骨筋反射 | 消失 | 存在(但し閾値上昇あり) |
| 気骨導差 | 存在 | なし |
重要な否定知識:
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