第15回 言語聴覚士国家試験 第195問
成人聴覚障害第15回
片耳正常の一側性難聴者における聴こえの障害について誤っているのはどれか。
- 1.音源位置の定位
- 2.雑音下の音声聴取
- 3.両耳聴の聴覚閾値
- 4.受話器の会話理解 ✓
- 5.会議時の話者の特定
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 受話器の会話理解
受話器(電話)による会話は単耳聴であり、片耳正常の一側性難聴者は正常耳を受話器に当てることで健聴者と同等の会話理解が得られます。したがって「受話器の会話理解」は一側性難聴による聴こえの障害として現れません。これが本問の誤り項目です。
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【各選択肢の解説】
1. 音源位置の定位
✅ 正しい。両耳聴による聴覚は、両耳到達時間差と両耳音圧差を利用して音源の定位が成立します。一側性難聴では一方の耳の情報が制限されるため、特に前後や上下の定位が著しく低下し、音源の正確な位置判定が困難になります。
2. 雑音下の音声聴取
✅ 正しい。両耳聴では「カクテルパーティー効果」により雑音中の音声抽出が可能ですが、一側性難聴ではこの両耳分離機能が喪失するため、雑騒音環境での会話理解が著しく低下します。これは両耳聴の最も重要な機能の一つです。
3. 両耳聴の聴覚閾値
✅ 正しい。両耳聴では単耳聴より3dB程度閾値が低下します(両耳聴利得)。一側性難聴者は正常耳のみで聴くため、本来得られるべきこの両耳利得が喪失され、全体的な聴覚閾値が相対的に上昇します。
4. 受話器の会話理解
❌ 誤り。受話器(電話機)は単耳聴デバイスであり、片耳を受話器に当てるだけで通話が成立します。一側性難聴者が正常耳を受話器に当てれば、健聴者と同様に会話理解が可能であり、一側性難聴による聴こえの障害は現れません。
5. 会議時の話者の特定
✅ 正しい。複数の話者がいる会議では、両耳聴による音源定位が重要な役割を果たします。一側性難聴により定位が喪失されると、どの方向の誰が話しているのかを特定することが困難になり、会話追従が大幅に低下します。
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【試験対策ポイント】
一側性難聴による聴こえの障害(両耳機能の喪失)
| 聴覚機能 | 障害の有無 | 理由 |
|---|---|---|
| 音源定位 | あり | 両耳到達時間差・音圧差が得られない |
| 雑音下音声聴取 | あり | カクテルパーティー効果が喪失 |
| 両耳聴利得 | あり | 3dB程度の閾値低下が得られない |
| 受話器会話 | なし | 単耳デバイスのため問題なし |
| 話者特定 | あり | 定位喪失により困難 |
キーワード:両耳聴の機能喪失 vs 単耳聴デバイスの違い
- 両耳聴が必須:定位、雑音下聴取、話者識別
- 単耳聴で対応可:受話機通話、ラジオ聴取