第15回 言語聴覚士国家試験 第196問
小児聴覚障害第15回
教育機関での聴覚障害者に対する情報保障の方法として適切でないのはどれか。
- 1.手話通訳
- 2.FM補聴器
- 3.ノートテイク
- 4.CROS補聴器 ✓
- 5.赤外線補聴援助システム
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — CROS補聴器
CROS補聴器は一側性難聴者向けの補聴援助システムであり、教育機関での聴覚障害者(両側難聴が基本)の情報保障には適さない。教育現場では複数人からの音声情報を収集する必要があるため、マイクを持つ講師や話者の音声を直接受信できるシステム(FM、赤外線)が有効である。
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【各選択肢の解説】
1. 手話通訳
✅ 適切。教育機関における標準的な情報保障方法。講義内容を手話で提供し、聴覚障害生徒が確実に情報を得られる。
2. FM補聴器
✅ 適切。講師がマイクを装着し、無線で聴覚障害生徒の補聴器に直接音声を送信。教室内の距離や雑音の影響を受けにくく、教育現場で頻用される。
3. ノートテイク
✅ 適切。講義内容をリアルタイムでノートに記録し、聴覚障害生徒に提供する情報保障方法。手話通訳と併用されることもある。
4. CROS補聴器
❌ 不適切。CROS(Contralateral Routing of Signal)補聴器は一側性難聴(聴力が正常な耳と難聴耳がある場合)の患者向けで、難聴側にマイクを、正常聴力側に受信器を装着し、音声をクロスオーバーさせるシステム。両側聴覚障害者の教育現場での情報保障には設計上適さない。
5. 赤外線補聴援助システム
✅ 適切。講師のマイクから赤外線で音声を送信し、聴覚障害生徒が受信。FM補聴器と同様、教室内での使用に有効で、他室への信号漏洩がなく教室内限定で使用できる。
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【試験対策ポイント】
補聴援助システムの分類と選択基準:
| システム | 用途 | 対象 | 教育現場での使用 |
|---|---|---|---|
| FM補聴器 | 講師マイク→受信機へ無線送信 | 両側難聴 | ◎ 標準的 |
| 赤外線系 | 講師マイク→受信機へ赤外線送信 | 両側難聴 | ◎ 標準的 |
| CROS補聴器 | 難聴側→正常聴力側へクロスオーバー | 一側性難聴 | ✗ 不適切 |
| ワイヤレス補聴器 | 複数マイク→受信機へ無線送信 | 両側難聴 | ◎ 対応可能 |
キーワード:
- CROS補聴器の適応:一側性難聴のみ
- 教育現場での情報保障の基本:講師から聴覚障害生徒への直接送信(FM・赤外線)
- 複数の情報保障方法の組み合わせが実務的(手話通訳+FM+ノートテイク)