STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第198問

補聴器・人工内耳第15回
図は入力音圧60dBSPLと90dBSPLによる補聴器出力を表示したものである。正しいのはどれか。【別図あり】
  1. 1.リニア増幅
  2. 2.約1.5倍の圧縮増幅
  3. 3.約2倍の圧縮増幅 ✓
  4. 4.約1.5倍の伸長増幅
  5. 5.約2倍の伸長増幅
第15回第198問 図

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 約2倍の圧縮増幅 この問題は、入力音圧の変化に対する出力音圧の関係から、補聴器の増幅特性を判定する問題です。圧縮増幅とは、入力が大きくなるほど増幅率(ゲイン)が低下する特性であり、その圧縮比を計算する必要があります。 --- 【各選択肢の解説】 1. リニア増幅 ❌ 誤り。リニア増幅であれば、入力差(30dB)に対して出力差も同じ30dB変化するはずです。実際には出力差が30dBより小さいため、非リニア(圧縮)特性を示しています。 2. 約1.5倍の圧縮増幅 ❌ 誤り。圧縮比1.5:1とは、入力が1.5倍変化したときに出力が1倍変化することを意味します。この比率では計算が合致しません。 3. 約2倍の圧縮増幅 ✅ 正しい。圧縮比2:1とは、入力が2倍変化したときに出力が1倍変化する特性です。一般的なダイナミックレンジ圧縮の標準的な設定であり、入出力の関係が2:1の比率を示します。 4. 約1.5倍の伸長増幅 ❌ 誤り。伸長増幅(エクスパンダー)は入力が小さいほど増幅率が低下する特性で、この図のパターンと逆です。また、伸長増幅は雑音抑制目的で使用され、一般的な補聴器では採用されません。 5. 約2倍の伸長増幅 ❌ 誤り。伸長増幅は補聴器の標準的な増幅方式ではなく、このグラフの出力パターン(入力増加で出力増加率が低下)は明らかに圧縮特性です。 --- 【試験対策ポイント】 圧縮比の計算方法 ┌─────────────────────────────┐ │ 圧縮比 = 入力の変化量 / 出力の変化量 │ │ │ │ 例)入力60dB→90dB(Δ30dB) │ │ 出力 Δ15dB に圧縮された場合 │ │ 圧縮比 = 30dB / 15dB = 2:1 │ └─────────────────────────────┘ 圧縮増幅 vs 伸長増幅 | 特性 | 圧縮増幅 | 伸長増幅 | |---|---|---| | 入力増加時 | ゲイン低下 | ゲイン上昇 | | 出力の変化率 | 入力より小さい | 入力より大きい | | 用途 | 最大音圧制限・快適聴取 | 雑音抑制 | | 補聴器での使用 | 一般的 | 稀 | グラフ読み込みのポイント - 入力と出力が「線形」=リニア増幅 - 入力増加に対し出力増加が「鈍化」=圧縮増幅 - 入力増加に対し出力増加が「加速」=伸長増幅
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