STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第22問

聴覚系第15回
難聴の変動や進行がないのはどれか。
  1. 1.メニエール病
  2. 2.先天性サイトメガロウイルス感染症
  3. 3.聴神経腫瘍
  4. 4.前庭水管拡大症
  5. 5.耳小骨連鎖離断 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 耳小骨連鎖離断 耳小骨連鎖離断は、耳小骨の機械的な解剖学的異常(離断・固着など)による伝音難聴であり、一度生じた機械的障害は自然に変動・進行しません。一方、選択肢1~4はいずれも難聴の変動や進行を特徴とする疾患です。 --- 【各選択肢の解説】 1. メニエール病 ❌ 誤り。難聴は変動を特徴とし、初期段階では低音周波数を中心に変動性感音難聴を示します。発作を繰り返すことで難聴が進行し、最終的には固定化することが知られています。 2. 先天性サイトメガロウイルス感染症 ❌ 誤り。新生児聴覚スクリーニング時には聴力が正常でも、乳幼児期を通じて進行性の感音難聴を示すことがあります。進行パターンが予測困難で、段階的に悪化することが特徴です。 3. 聴神経腫瘍 ❌ 誤り。腫瘍の発育に伴い難聴は進行します。一側性難聴が徐々に悪化し、語音識別能の低下も並行して進行することが診断の重要な手がかりになります。 4. 前庭水管拡大症(LVAS) ❌ 誤り。NHS通過後に進行性感音難聴を示すのが特徴です。幼少期から学童期にかけて徐々に難聴が進行し、進行パターンは個人差が大きいとされています。 5. 耳小骨連鎖離断 ✅ 正しい。耳小骨の離断(最も多いのは砧骨長脚離断)は機械的な解剖学的異常であり、一度生じた離断は自然には修復されないため、難聴は一定で変動・進行しません。ただし外傷で新たに損傷を受けない限り、聴力は不変です。 --- 【試験対策ポイント】 進行性難聴(変動・進行あり)vs 固定性難聴(変動なし) | 疾患 | 難聴の特徴 | 機序 | |---|---|---| | メニエール病 | 変動性感音難聴 | 内リンパ水腫の変動 | | 先天性CMV感染症 | 進行性感音難聴 | ウイルス性内耳障害 | | 聴神経腫瘍 | 進行性感音難聴 | 腫瘍による神経圧迫 | | 前庭水管拡大症 | 進行性感音難聴 | 内リンパ液の異常蓄積 | | 耳小骨連鎖離断 | **固定性伝音難聴** | **機械的解剖学的異常** | 紛らわしい点: - 聴神経腫瘍とメニエール病:両者とも難聴は悪化するが、メニエール病は「変動性」(日内変動あり)、聴神経腫瘍は「緩徐進行性」(進行は単調) - 前庭水管拡大症はNHS通過後に進行性難聴が出現する代表的疾患←特に重要 耳小骨連鎖離断の診断: - オージオメトリー:air-bone gap(気骨導差)あり - ティンパノメトリー:A型(正常な中耳インピーダンス)またはAs型(スティフネス低下) - 外科治療:耳小骨形成術で改善可能
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