第15回 言語聴覚士国家試験 第28問
心理測定法第15回
信頼性と関係ないのはどれか。
- 1.再検査
- 2.α係数
- 3.上下法 ✓
- 4.項目得点相関
- 5.上位-下位分析
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 上下法
上下法(up-down method)は適応的な検査手法で、刺激強度を段階的に調整する「測定方法」です。信頼性(測定の安定性・一貫性)を評価するための手法ではなく、効率的な閾値測定のための方法であるため、信頼性と直接の関係がありません。
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【各選択肢の解説】
1. 再検査
✅ 正しい。再検査法(test-retest reliability)は、同一検査を異なる時期に2回実施し、その相関係数から信頼性を評価します。時間的安定性を測定する重要な信頼性評価法です。
2. α係数
✅ 正しい。Cronbachのα係数は内的一貫性を評価する信頼性係数で、検査内の各項目が同じ構成概念を測定しているかどうかを判定します。心理検査の信頼性評価として最もよく用いられます。
3. 上下法
❌ 誤り。上下法は心理物理学的測定法で、被験者の反応に基づいて刺激強度を上下させながら閾値を効率よく決定する「測定手続き」です。信頼性評価ではなく、測定精度を高めるための方法論であり、信頼性と関係ありません。
4. 項目得点相関
✅ 正しい。各項目と全体得点との相関を検討する方法で、内的一貫性を評価する信頼性の指標となります。相関が低い項目は検査の内的一貫性を損なうため、信頼性評価に用いられます。
5. 上位-下位分析
✅ 正しい。全体得点の上位群と下位群の項目別得点を比較し、項目の弁別力を検討する方法です。弁別力が低い項目は検査の信頼性や妥当性を損なう要因となるため、信頼性改善のための分析手法です。
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【試験対策ポイント】
信頼性評価の主要手法:
| 手法 | 評価内容 | 概要 |
|---|---|---|
| 再検査法 | 時間的安定性 | 同一検査を別時期に実施→相関係数 |
| α係数 | 内的一貫性 | 項目間の一貫性→Cronbach's α |
| 項目得点相関 | 内的一貫性 | 各項目と全体得点の相関 |
| 上位-下位分析 | 項目の弁別力 | 得点上位群と下位群の比較 |
| 検査者間信頼性 | 検査者による相違 | 複数検査者の結果相関 |
上下法との区別:
- 上下法は「信頼性評価法」ではなく「適応的測定手続き」
- 聴覚検査(オージオメトリ)や心理物理実験で、刺激強度を効率よく決定するためのアルゴリズム
- 信頼性と信度は「測定結果の安定性・一貫性」;上下法は「測定方法の効率性」→別概念