STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第29問

心理測定法第15回
正しいのはどれか。
  1. 1.名義尺度上の測定値は差をとることができる。
  2. 2.順序尺度上の測定値は大小関係を保存する単調変換を施すことができる。 ✓
  3. 3.5段階評定による測定値は比率尺度である。
  4. 4.順序尺度上の測定値は分散を求めることができる。
  5. 5.比率尺度上の側低値は原点を任意に変換することができる。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 順序尺度上の測定値は大小関係を保存する単調変換を施すことができる。 順序尺度の本質は「相対的な大小関係のみが意味を持つ」ことです。大小関係を保存する単調変換(例:x→2x、x→x³など)であれば、順序関係が変わらないため許容されます。これは順序尺度の数学的性質の定義そのものです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 名義尺度上の測定値は差をとることができる。 ❌ 誤り。名義尺度は単なるカテゴリー分類(例:性別・血液型)であり、大小関係すら存在しないため、差を求めることは無意味です。数値は数字というより「ラベル」に過ぎません。 2. 順序尺度上の測定値は大小関係を保存する単調変換を施すことができる。 ✅ 正しい。順序尺度は「AはBより大きい」という関係のみ重要です。この関係を変えない変換(単調変換)であれば許容されます。例:満足度1→5のスケールを、全て3倍にしても順序は保存されます。 3. 5段階評定による測定値は比率尺度である。 ❌ 誤り。5段階評定(リカートスケール)は順序尺度です。「3は2の1.5倍の評価」とは言えず、段階間の間隔の等しさも保証されません。比率尺度の「真の0点」と「間隔の一定性」を満たしません。 4. 順序尺度上の測定値は分散を求めることができる。 ❌ 誤り。分散は測定値間の「差」の二乗平均ですが、順序尺度では差に意味がないため、分散を求めることは統計学的に無意味です。順序尺度で許容される統計量は中央値・四分位数・順位相関係数などです。 5. 比率尺度上の測定値は原点を任意に変換することができる。 ❌ 誤り。比率尺度の「真の0点」は固定されており、原点は変換できません。原点が変換できるのは間隔尺度です。例:温度(℃→K)は可能ですが、身長・体重の0点は固定です。 --- 【試験対策ポイント】 Stevens の尺度水準と許容変換・許容統計量 | 尺度水準 | 意味 | 許容変換 | 許容統計量 | NG操作 | |---|---|---|---|---| | 名義 | カテゴリー分類 | 一対一対応 | 最頻値、度数 | 加減乗除全てNG | | 順序 | 大小関係のみ | 単調変換 | 中央値、四分位数、順位相関 | 差・分散がNG | | 間隔 | 間隔が等しい | 1次変換(y=ax+b) | 平均、標準偏差、ピアソン相関 | 比較がNG(0点が任意) | | 比率 | 真の0点を持つ | 比例変換(y=ax) | 全て可能 | 加算がNG(幾何平均は可) | 重要な区別ポイント - 5段階評定・リカートスケール→「順序尺度」(多くの教科書で統計的には間隔尺度として扱われることもあるが、厳密には順序尺度) - 「原点変換」できる→間隔尺度、できない→比率尺度 - 「差を求める」→間隔尺度以上、「分散」→間隔尺度以上で許容 - 「単調変換」→順序尺度で許容される唯一の数学的操作 頻出出題パターン - 「5段階評定は○○尺度か」:順序尺度(引っ掛け)
関連

▶ 第15回 全問一覧

▶ 心理測定法 の過去問一覧