STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第40問

音響学第15回
ホルマント周波数に関連しないのはどれか。
  1. 1.音速
  2. 2.声道長
  3. 3.口唇のすぼめ
  4. 4.声帯の緊張 ✓
  5. 5.舌の位置

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 声帯の緊張 ホルマント周波数は、声道の形状や長さによって決定される共鳴特性です。声帯の緊張は基本周波数(F0)を変化させますが、ホルマント周波数そのものには直接影響しません。ホルマント周波数に影響するのは「音が共鳴する空間」の物理的特性であり、声帯の振動特性ではないという点が重要です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 音速 ✅ 正しい。ホルマント周波数は声道内での音速に依存します。音速が変われば、同じ声道形状でも共鳴周波数が変化します。気温や湿度による音速変化も微細にホルマント周波数に影響を与えます。 2. 声道長 ✅ 正しい。ホルマント周波数は声道長に反比例します。声道が短いほどホルマント周波数は高くなり、長いほど低くなります。これは子どもと成人の音声スペクトラムの違いを説明する重要な要因です。 3. 口唇のすぼめ ✅ 正しい。口唇をすぼめると声道が延長され、ホルマント周波数は低下します。唇音(/u/など)で特に顕著です。声道形状の変化がホルマント周波数を直接変化させます。 4. 声帯の緊張 ❌ 誤り。声帯の緊張は基本周波数(F0)を上昇させますが、ホルマント周波数そのものには影響しません。ホルマントは声道という「フィルタ」の特性により決定され、音源の振動特性(声帯緊張)の影響を受けないのです。 5. 舌の位置 ✅ 正しい。舌の位置は声道の形状を大きく変化させます。舌の前後・上下の位置によって異なる共鳴腔が形成され、ホルマント周波数パターンが変わります。母音識別の主要因です。 --- 【試験対策ポイント】 ホルマント周波数決定要因の整理: | 影響する要因 | 理由 | |---|---| | 声道長 | 物理的な共鳴腔の大きさ(波長との関係) | | 舌の位置 | 声道形状の変化 | | 口唇形状(すぼめ) | 声道延長&形状変化 | | 音速 | 同じ形状でも音速で周波数変化 | | **声帯の緊張** | **❌ 基本周波数に影響(ホルマントではない)** | 基本周波数(F0)vs ホルマント周波数: - F0:音源(声帯)の振動周期で決定 - ホルマント:音が響く「筒」(声道)で決定 - 同じ「あ」という母音でも、男性と女性ではF0が異なるが、ホルマント周波数パターンは類似している
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