第15回 言語聴覚士国家試験 第42問
音響学第15回
音声信号のデジタル音響分析で標本化周波数を選ぶとき考慮すべきものはどれか。
- 1.信号振幅の最大値
- 2.信号の基本周波数
- 3.信号のホルマント周波数
- 4.信号成分の最高周波数 ✓
- 5.信号成分の最低周波数
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 信号成分の最高周波数
デジタル音響分析において標本化周波数を決定する際の基準は、ナイキスト定理に基づきます。標本化周波数は、信号に含まれる「最高周波数の2倍以上」である必要があります。これにより、エイリアシング(折り返し雑音)を防ぎ、元の信号を正確に再現できます。
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【各選択肢の解説】
1. 信号振幅の最大値
❌ 誤り。標本化周波数の選択に振幅は直接関係ありません。振幅に関連するのは量子化ビット数であり、標本化周波数ではありません。
2. 信号の基本周波数
❌ 誤り。基本周波数のみでは不十分です。信号には基本周波数より高い倍音成分が含まれており、それらの最高周波数を考慮する必要があります。
3. 信号のホルマント周波数
❌ 誤り。ホルマント周波数は信号の周波数特性の重要な要素ですが、標本化周波数の決定基準ではありません。ホルマント周波数より高い倍音成分が存在する可能性があるため、最高周波数全体を考慮します。
4. 信号成分の最高周波数
✅ 正しい。ナイキスト定理により、標本化周波数はサンプリング対象の最高周波数の2倍以上必要です。例えば、音声信号の最高周波数が4kHzの場合、最低でも8kHzの標本化周波数が必要となります。
5. 信号成分の最低周波数
❌ 誤り。最低周波数は標本化周波数の選択に影響しません。必要な条件はナイキスト周波数以上であり、下限値ではなく上限値が重要です。
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【試験対策ポイント】
ナイキスト定理(サンプリング定理)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | アナログ信号をデジタル化する際の標本化周波数の最低条件 |
| 基準 | 標本化周波数 ≧ 最高周波数 × 2 |
| ナイキスト周波数 | 最高周波数と標本化周波数の中点(エイリアシング限界) |
| エイリアシング | 標本化周波数が不足した場合の折り返し雑音 |
音声・言語分析の実例
- 音声信号(最高周波数4kHz)→ 標本化周波数8kHz以上
- 高周波成分を含む音声→ 標本化周波数16kHz以上
- 広帯域分析→ 標本化周波数22.05kHz以上(CD品質16bitと組合で活用)
頻出の混同パターン
- 基本周波数と最高周波数の誤認:倍音成分まで考慮する必要がある
- 振幅と周波数の混同:量子化ビット数と標本化周波数は独立した概念
- ホルマント周波数の過度な重視:最高周波数の部分に過ぎない