STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第52問

言語聴覚障害総論第15回
誤っているのはどれか。
  1. 1.運動低下性構音障害は錐体外路の病変による。
  2. 2.神経原性吃音は主に幼児期に発症する。 ✓
  3. 3.失語症の半数以上が脳梗塞を原因とする。
  4. 4.遂行機能障害は主に前頭前野の損傷で生じる。
  5. 5.機能性構音障害は発達途上の構音の誤りが多数を占める。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 神経原性吃音は主に幼児期に発症する。 神経原性吃音は脳卒中やパーキンソン病などの神経疾患に続発する吃音で、成人期以降に発症することが多くあります。一方、発達性吃音(最も一般的)が幼児期(2~5歳)に発症するのに対し、神経原性吃音は高齢者を含む様々な年代で出現します。したがって「主に幼児期」という記述は誤りです。 --- 【各選択肢の解説】 1. 運動低下性構音障害は錐体外路の病変による。 ✅ 正しい。運動低下性構音障害はパーキンソン病など錐体外路障害に伴う構音障害です。加速現象や音量の低下が特徴で、Mayo分類では5つの運動障害性構音障害の1つです。 2. 神経原性吃音は主に幼児期に発症する。 ❌ 誤り。神経原性吃音は脳梗塞・脳出血・脳腫瘍・パーキンソン病などの脳神経疾患に続発する吃音であり、成人期以降に発症することが大多数です。幼児期に発症する吃音の大多数は発達性吃音(一次性吃音)で、神経原性ではありません。 3. 失語症の半数以上が脳梗塞を原因とする。 ✅ 正しい。失語症の原因統計では脳梗塞が約50~60%を占め、脳出血(20~30%)よりも圧倒的に多くあります。これは国内外の臨床統計で一貫しています。 4. 遂行機能障害は主に前頭前野の損傷で生じる。 ✅ 正しい。計画・判断・抑制・柔軟性などの遂行機能は前頭前野(特に背外側前頭前野)に依存します。脳損傷患者の高次脳機能障害評価において重要な指標です。 5. 機能性構音障害は発達途上の構音の誤りが多数を占める。 ✅ 正しい。機能性構音障害は器質的障害がない構音障害で、発達期に本来消失すべき幼児音韻体系が残存したもの(例:サ行音が「タ行」に置き換わる)が大多数です。発達性構音障害ともいわれます。 --- 【試験対策ポイント】 吃音の分類と特徴: | 分類 | 発症年齢 | 原因 | 特徴 | |---|---|---|---| | 発達性吃音(一次性) | 幼児期(2~5歳) | 言語発達段階 | 男児が多い、自然治癒あり | | 神経原性吃音 | 成人期以降 | 脳疾患(脳卒中など) | 急性発症、基礎疾患がある | | 心因性吃音 | 様々 | 心理的ストレス | 特定場面でのみ出現 | 失語症の原因統計(日本): - 脳梗塞:50~60% - 脳出血:20~30% - 脳腫瘍・外傷など:10~20% 運動障害性構音障害5分類(Mayo分類): - 痙性→偽性球麻痺(脳卒中)→努力性嗄声 - 弛緩性→球麻痺(筋ジストロフィー)→鼻声 - 失調性→小脳病変→スキャニングスピーチ - 運動低下性→パーキンソン病→単調・小声 - 混合性→ALS→複合的 前頭前野の機能: - 背外側:計画・判断・柔軟性(遂行機能) - 眼窩前頭
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