STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第73問

言語発達学第15回
5歳の女児。言語理解は単語レベルで、事物名称と人名は理解可能。動作語と大小・色名は理解不可。指導する2語連鎖で適切なのはどれか。
  1. 1.対象+動作(みかんを食べる)
  2. 2.動作主+動作(男の子が洗う)
  3. 3.大小+事物(大きい車)
  4. 4.色名+事物(赤い車)
  5. 5.所有者+事物(女の子の車) ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 所有者+事物(女の子の車) この児童は現在「単語レベルの理解が可能で、事物名称と人名は理解可能だが、動作語と形容詞(大小・色名)は理解不可」という発達段階にあります。2語連鎖指導では、既に理解している語彙カテゴリーのみを組み合わせる必要があります。選択肢5は「所有者(人名)+事物(名詞)」で構成され、両方とも既に理解可能な範囲内の指導が可能です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 対象+動作(みかんを食べる) ❌ 誤り。「動作語(食べる)」が理解できていないため、このコンビネーションは児童の発達段階を超えています。理解不可能な語彙を導入すると学習効果が低下します。 2. 動作主+動作(男の子が洗う) ❌ 誤り。動作主「男の子」は人名として理解可能ですが、「動作語(洗う)」が理解できないため、同じく指導対象として不適切です。 3. 大小+事物(大きい車) ❌ 誤り。「大小」という形容詞的概念が理解不可であると明記されているため、この組み合わせは児童の現在の言語理解レベルより上位です。 4. 色名+事物(赤い車) ❌ 誤り。「色名」が理解不可であると明記されているため、この組み合わせも児童のレベルに適合していません。 5. 所有者+事物(女の子の車) ✅ 正しい。「所有者(女の子)」は人名範疇で理解可能、「事物(車)」も名詞で理解可能。両要素が既習範囲内のため、スムーズに2語連鎖へ発展させられます。 --- 【試験対策ポイント】 言語発達段階と指導原理 | 発達段階 | 理解可能な語彙カテゴリー | 2語連鎖指導で組み合わせる原則 | |---|---|---| | 早期(1~2語段階) | 事物名・人名 | 既習カテゴリーのみ組み合わせ | | 中期(2~3語段階) | +動作語・代名詞 | 新要素は1語のみ導入 | | 後期(3語以上) | +形容詞・時間概念 | より複雑な文法構造へ | 本問の児童の現状: ・理解可能:事物名称、人名 ・理解不可:動作語、大小、色名 選択肢の評価軸: 「両要素とも既習範囲か?」→ YESなら適切 / NOなら不適切 頻出ポイント: 言語発達指導では「既知×既知」の組み合わせから始め、段階的に「既知×新規」へ移行するが、この問題段階ではまだ既知同士の組み合わせが必須
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