STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第15回 言語聴覚士国家試験 第76問

音声障害第15回
薬物治療の最も良い適応はどれか。
  1. 1.声帯溝症
  2. 2.声帯ポリープ
  3. 3.喉頭肉芽腫 ✓
  4. 4.喉頭横隔膜症
  5. 5.反回神経麻痺

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 喉頭肉芽腫 喉頭肉芽腫は胃食道逆流症(GERD)が主な原因とされており、プロトンポンプ阻害薬(PPI)などの制酸薬による薬物治療が有効です。一方、他の4疾患は主に構造的変化や神経障害であり、薬物治療は根本的な解決にはならず、手術的介入が第一選択となります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 声帯溝症 ❌ 誤り。声帯の溝状の陥没構造が特徴であり、構造的異常です。自然治癒は期待できず、薬物治療の適応外です。音声治療や手術療法(フィブリン糊による注入など)が検討されます。 2. 声帯ポリープ ❌ 誤り。声帯上の良性腫瘤であり、構造的病変です。薬物治療では消失しません。禁声・音声治療で改善することもありますが、多くの場合は手術的切除が必要です。 3. 喉頭肉芽腫 ✅ 正しい。胃食道逆流症が主因であり、H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬による制酸治療が第一選択です。薬物治療により自然消失することが多く、薬物治療の最良の適応疾患です。 4. 喉頭横隔膜症 ❌ 誤り。喉頭腔を分断する膜性構造の先天異常です。構造的障害であり、薬物治療では改善しません。内視鏡下の膜切除術が治療の第一選択です。 5. 反回神経麻痺 ❌ 誤り。神経障害であり、薬物治療(ステロイドなど)は急性期の浮腫軽減に補助的に用いられることはありますが、根本的な治療法ではありません。音声治療や甲状軟骨形成術などの手術療法が適応です。 --- 【試験対策ポイント】 喉頭疾患の治療選択肢: | 疾患 | 原因 | 第一選択治療 | 薬物治療の役割 | |---|---|---|---| | 喉頭肉芽腫 | GERD | 制酸薬(PPI・H2B) | 第一選択 ✓ | | 声帯ポリープ | 音声乱用 | 手術切除 | 補助的のみ | | 声帯溝症 | 先天性/音声乱用 | 注入療法・手術 | 無効 | | 喉頭横隔膜症 | 先天異常 | 内視鏡下切除 | 無効 | | 反回神経麻痺 | 神経障害 | 音声治療・手術 | 補助的のみ | 重要ポイント: - 喉頭肉芽腫=GERD関連=薬物治療で消失可能 - 構造的異常(ポリープ、溝症、横隔膜症)→手術が原則 - 神経障害(反回神経麻痺)→薬物単独では改善困難
関連

▶ 第15回 全問一覧

▶ 音声障害 の過去問一覧