第15回 言語聴覚士国家試験 第81問
器質性構音障害第15回
構音障害の治療に用いないのはどれか。
- 1.Hotz床 ✓
- 2.軟口蓋挙上装置
- 3.舌接触補助装置
- 4.口蓋閉鎖床
- 5.バルブ型スピーチエイド
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — Hotz床
Hotz床は口唇裂・口蓋裂の乳幼児に使用される床矯正装置であり、構音障害の治療ではなく、乳児の哺乳機能改善と顎骨の正常発育を促進するために用いられます。一方、2~5番はすべて構音障害(特に口蓋裂に伴う機能的構音障害)の直接的な治療装置です。
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【各選択肢の解説】
1. Hotz床
❌ 誤り(構音障害治療に用いない)。口唇裂・口蓋裂乳幼児の哺乳補助と初期顎骨発育促進が目的であり、構音障害そのものの治療装置ではありません。生後数ヶ月から装用され、手術前後で役割が異なります。
2. 軟口蓋挙上装置
✅ 正しい。開鼻声改善を目的とした構音障害治療装置。軟口蓋の挙上運動を機械的に補助し、鼻腔への逆流を防止します。口蓋裂術後の残存開鼻声に有効です。
3. 舌接触補助装置(パラタルリフト)
✅ 正しい。舌背と硬口蓋間の接触面積を増加させる装置。舌運動範囲の制限がある患者(脳卒中後遺症など)の構音改善に用いられます。
4. 口蓋閉鎖床
✅ 正しい。口蓋裂に伴う開鼻声改善の代表的装置。硬口蓋欠損部を人工床で補い、鼻腔への気流逆流を機械的に遮断し構音を改善します。
5. バルブ型スピーチエイド
✅ 正しい。咽頭に留置される構音補助装置。鼻咽頭閉鎖機能不全(特に重度麻痺)で開鼻声がある患者の構音改善に用いられます。
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【試験対策ポイント】
口唇裂・口蓋裂関連装置の分類
| 装置名 | 目的 | 対象時期 | 効果 |
|---|---|---|---|
| Hotz床 | 乳児哺乳・顎骨発育促進 | 新生児~手術前 | 構音障害治療には無効 |
| 口蓋閉鎖床 | 開鼻声改善 | 手術後~成長期 | 構音改善(治療装置) |
| 軟口蓋挙上装置 | 軟口蓋の挙上補助 | 術後 | 構音改善(治療装置) |
構音障害治療装置の位置付け
- パラリンガル機能補助:舌接触補助装置・バルブ型スピーチエイド
- 鼻咽頭閉鎖補助:口蓋閉鎖床・軟口蓋挙上装置
頻出スルポイント:Hotz床は「口唇閉鎖不全補助」が主機能で、構音障害そのものへの直接作用を期待するものではありません。口蓋裂治療の時系列(Hotz床→手術→構音装置)を理解することが重要です。